ロボコの絶え間ないギャグが面白すぎる…映画館で笑いをこらえきれない理由とは? 『劇場版 僕とロボコ』考察&評価レビュー
「週刊少年ジャンプ」(集英社)で連載中の宮崎周平のギャグ漫画を原作とした『劇場版 僕とロボコ』が公開中。美少女メイドロボ「オーダーメイド」が普及した世界で、少年ボンドとオーダーメイドのロボコが繰り広げる日常を描いた作品。そんな本作のレビューをお届けする。(文・近藤仁美)【あらすじ キャスト 解説 考察 評価 レビュー】
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【著者プロフィール:近藤仁美】
クイズ作家。国際クイズ連盟日本支部長。株式会社凰プランニング代表取締役。これまでに、『高校生クイズ』『せっかち勉強』等のテレビ番組の他、各種メディア・イベントなどにクイズ・雑学を提供してきた。国際賞「Trivia Hall of Fame(トリビアの殿堂)」殿堂入り。著書に『クイズ作家のすごい思考法』『人に話したくなるほど面白い! 教養になる超雑学』などがある。
ロボコの圧倒的存在感とパロディ満載の世界
劇場版『僕とロボコ』は、宮崎周平の同名マンガを原作とするアニメ映画だ。原作は、累計発行部数150万部を超える人気作。監督は『おじゃる丸』(NHK、1998~)や『ギャグマンガ日和』(キッズステーション、2005~)シリーズで知られる大地丙太郎で、主人公のロボコを演じるのは、お笑いコンビ・チョコレートプラネットの松尾駿である。
本作を観てまず思ったのは、「画面がうるさい! いい意味で!」だった。というのも、ロボコ1人(1体?)でもかなりの存在感であるところ、複数の世界線から様々なロボコがやってきてしまうのだ。
ちなみに、タイトルロールの「ロボコ」とは、超高性能メイド型ロボット「オーダーメイド(OM。ただしロボコの場合自称)」の名前だ。他のオーダーメイドたちが可愛らしい容姿や家事能力で人気を得るところ、ロボコは持ち前の戦闘能力や自由奔放さで状況を打破する。もとい、しばしば状況ごと壊滅させる。
この濃いキャラクターに、王道バトルの世界線/本格SFアクションの世界線/ラブコメの世界線/昭和ギャグマンガの世界線から、それぞれ別パターンのロボコが絡んでくる。にぎやかすぎてスクリーンいっぱい(もちろん、元祖・ロボコの主人の部屋もいっぱい)だが、「世界に散らばった7つの膝頭を集める」だの、「海賊船に乗り仲間たちと大いなる旅」だの、作画も込みでネタ元丸出しのパロディに笑ううち、なんのかんので受け入れられてしまう。
そうそう、余裕のある方は、エンドロールにもご注目。流れる文字列に「こんなのいたっけ?」と思えたなら、その後が2度おいしい。