初見でも観客を笑顔にする娯楽映画
上映後、照明が点くと、その場にいた人たちが口々に感想を語りはじめた。私は今回、あえて原作・テレビアニメともにふれないようにして劇場に足を運んだのだが、初見でも十分楽しめたし、「原作も追ってみようかな」という気になった。つくった方々の思う壺に、気持ちよくハマりにいく所存である。
また、劇場では「満足度たっか!」と言ってその場を後にする人もいて、おしなべて周囲の顔が明るかった。そんな様子を見ながら、「娯楽映画って、こういうことかもなぁ」と感じた。大作であることや、総製作費が云々という話よりも、観た人が思わず感想をシェアしたくなってしまうこと。そうした現象が起きれば、気軽に楽しむための作品としては成功のような気がする。
(文・近藤仁美)