「とにかく笑って欲しい」
アニメに込める想い
ーーこれまでの作品についてお話を伺いたいのですが、以前「ギャグは渇望しないと生まれない」という発言をされていた時期があったそうですね。その時のエピソードについて聞かせてください。
「1999年頃の話ですね。『こどものおもちゃ』の時に、かなりギャグを詰め込んで、その後『すごいよ!マサルさん』などのギャグ作品が続いたんですけど、そういう作品ばかりやってると怖くなってくるんですよ。ずっとギャグをやっていきたかったので、一旦ギャグを無くさないといけないなと思って、そういう発言をしたんだと思います」
ーーそしてアニメ『今、そこにいる僕』(1999〜2000)が誕生するわけですね。こちらはギャグが全く登場しない戦争ものです。
「一度渇望しなきゃと思って作ったんですけど、ちょっとやりすぎましたね(笑)。なんでこんなことに手を出しちゃったのかと思うほどスタッフ全員が辛かったと思います」
ーー元々そういうテーマのものを扱いたいという想いがあったのでしょうか?
「戦いってアニメだと普通にある世界なんですけど、それをそんなに軽く考えたくないという気持ちがあって。当時は僕の子供たちが小さかったので、日曜日は公園に行って遊ばせてたんですけど、その様子をのんびり見ていたら、どこかの国では戦争をして酷い目に遭ってる子供たちがいるのに、『この差はなんなんだろう…』と思ったんです。そして私たちは戦いということを簡単に扱っていていいのかというところで、1回ちゃんと考えてみようと。あの時代じゃなかったらできなかった内容なので、本当に作って良かったなと思いますし、是非観て欲しいです」
ーー『僕とロボコ』の素敵なところは、戦いのない優しい世界なところですね。
「そうなんですよ。ロボコは優しい世界なんで、そういう世界が1番いいなと思います」
ーーこれから劇場版『僕とロボコ』を観る方にメッセージをお願いします。
「とにかく笑って欲しいです。本当に今の世の中は殺伐としている感じがするので、1回笑ってみな?と。もうこれが笑えなかったら、閉店ガラガラです(笑)。思わず笑えるものを作ったと思うので、是非笑いに来て欲しいです」
(取材・文:福田桃奈)
【作品情報】
■配給:松竹
■原作:『僕とロボコ』宮崎周平(集英社「週刊少年ジャンプ」連載)
■監督:大地丙太郎
■アニメーション制作:ぎゃろっぷ
■主題歌:ano「ロりロっきゅんロぼ♡」(TOY’S FACTORY)
■キャスト
ロボコ:松尾 駿(チョコレートプラネット)
ボンド:津田美波
ガチゴリラ:置鮎龍太郎
モツオ:武内駿輔
円ちゅわ~ん:M・A・O
メイコ:平塚紗依
ニョンタ:後藤恵里菜
ボンドのママ:三石琴乃
ロボコ(王道バトルの世界線):田中真弓
ロボコ(本格SFアクションの世界線):千葉 繁
ロボコ(ラブコメの世界線):上坂すみれ
ロボコ(昭和ギャグ漫画の世界線):野沢雅子
大幹部様:長田庄平(チョコレートプラネット)
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【了】