映画『今日の空が一番好き、とまだ言えない僕は』評価&考察レビュー。予想を遥かに超える傑作…驚く観客が続出しているワケ

text by 前田知礼

映画『今日の空が一番好き、とまだ言えない僕は』が公開中。ジャルジャルの福徳秀介の同名小説を大九明子が映画化した本作は、主人公の冴えない毎日を送る大学生・小西徹を萩原利久、小西が恋に落ちる桜田花を河合優実が演じている。今回は、本作のレビューをお届けする。(文・前田知礼)【あらすじ キャスト 解説 考察 評価 レビュー】

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【著者プロフィール:前田知礼】

前田知礼(まえだとものり)。1998年広島県生まれ。2021年に日本大学芸術学部放送学科を卒業。制作会社での助監督を経て書いたnote「『古畑任三郎vs霜降り明星』の脚本を全部書く」がきっかけで放送作家に。現在はダウ90000、マリマリマリーの構成スタッフとして活動。「僕たちの校内放送」(フジテレビ)、「スチブラハウス」、「本日も絶体絶命。」、「あの卓が気になる」、「最初のテレビ」(テレビ朝日)の脚本を担当。趣味として、Instagramのストーリーズ機能で映画の感想をまとめている。

原作は人気コント師・ジャルジャルの福徳秀介

©2025「今日の空が一番好き、とまだ言えない僕は」製作委員会
©2025「今日の空が一番好き、とまだ言えない僕は」製作委員会

『今日の空が一番好き、とまだ言えない僕は』を、ジャルジャルのコントタイトル風に説明すると、大学2年生の「1人が好きな変な人だと思わせたくて毎日日傘を差して大学通ってる奴」(萩原利久)と、「友達多いキャラを装うためにお団子頭にしてる奴」(河合優実)が偶然出会い、友達の「大分出身でオリジナルの関西弁喋ってる奴」(黒崎煌代)や「深夜の銭湯清掃バイトと一緒になる奴」(伊東蒼)らと交流しながら関係を深めていく青春恋愛映画……いや、「青春恋愛映画かと思ってたらそういうことでもなさそうな奴」だった。

 そのせいもあってか映画ファンの間でも「何の気なしで観に行ったけど予想を遥かに超える傑作で驚いてる奴」が続出している。

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