映画館で見るべき作品

映画『今日の空が一番好き、とまだ言えない僕は』
©2025「今日の空が一番好き、とまだ言えない僕は」製作委員会

「つかぬことをお聞きしますが、家のテレビを最大音量にしたことありますか?」

 2回目に話した日に桜田が小西にした質問で、早速小西はアパートのテレビで実践しようとする。と、このように今作は「音」や「音量」がキーとなる映画だ。

 授業開始のでかいチャイムの音、バイト先の銭湯の店主宅のポストに鍵を落としたときの轟音、どこか違和感のある雨音、上がり続けるテレビのボリューム……映画の中で鳴り響くあらゆる「音」とその大きさを、リモコンやボタンでの音量調整ができない映画館の空間で味わってほしい。そして、スピッツの「初恋クレイジー」と最後のあの言葉を耳に焼きつけてほしい。

(文・前田知礼)

【作品情報】
『今日の空が一番好き、とまだ言えない僕は』
原作:福徳秀介『今日の空が一番好き、とまだ言えない僕は』(小学館刊)
監督・脚本:大九明子
出演:萩原利久
河合優実 伊東蒼 黑崎煌代
安齋肇 浅香航大 松本穂香 / 古田 新太
製作:吉本興業 NTT ドコモ・スタジオ&ライブ 日活 ザフール プロジェクトドーン
製作幹事:吉本興業 制作プロダクション:ザフール 配給:日活
©2025「今日の空が一番好き、とまだ言えない僕は」製作委員会
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