ネガティブな感情と向き合う切り替え術
―――中山さんはメインキャラクターのひとりで、気が小さくて言いたいことを言えない山田ちえを演じました。彼女を演じるうえで、意識していたことはありますか?
「ちえちゃんは喋るとき、言葉に詰まってしまうことも多かったので、『本当はこういう風に言いたかったんじゃないかな』と考えて演じるようにしていました。台本ではちえちゃんのセリフの最後に『…』がつくことも多かったんです。台本の余白に彼女の気持ちを書き出して、心の声をしっかり意識して役を作っていきました 」
―――役柄に関して、宗綱弟監督と擦り合わせる機会はありましたか?
「私の中で作っていたちえちゃん像を、本読みの際に監督に提示したときに、褒めていただけました。私なりのちえちゃん像と、監督や脚本家の政池洋佑さんのそれがピッタリ重なったみたみたいで。それをベースにキャラクターを深掘りしていくことになりました」
―――物語を通してちえちゃんは徐々に成長を見せますが、元々はつい「ネガティブ」なことばかり考えてしまうキャラクターです。中山さんは日々のなかで「ネガティブ」な感情とどのように向き合っていますか?
「ネガティブなことがあったとき、その原因をしっかり考えるのも大切ですけど、引きずりすぎるのもよくないと思っていて。時間を巻き戻せるわけじゃないので、一度自分の中に落とし込んで、次に同じことや似たようなことが起きたときにどう対処するかを考えるようにしています」
―――頭ではわかっていても、なかなか実践できない心がけだと思います…!
「まずは課題と向き合ったうえで、しっかり反省する。そのあとに『次はどうしたらいいだろう? こうしたら大丈夫なんじゃないか』って対策を立てていくんです。次の現場にネガティブな気持ちを持ち込んでしまうと、自分がブレてしまう気がするし、浮ついたまま現場に入るのもよくないと思っているので。しっかり切り替えて、メリハリをつけるようにしています。
実際、落ち込むこと自体は成長に繋がることですし、いい経験にもなると思うんです。ただ、あんまり引きずりすぎると、ネガティブな気持ちがどんどん大きくなって、実際より悪い出来事のように思えてきちゃうので、気をつけるようにしています」