「本物の家族のように思えた」映画『うぉっしゅ』W主演・中尾有伽、単独インタビュー。研ナオコとの心温まる撮影秘話とは?
永六輔の孫で『安楽死のススメ』で映画監督デビューした岡﨑育之介が、自身の祖母の話をもとにオリジナル脚本で手がけた映画『うぉっしゅ』が全国公開中。今回は、研ナオコとともにW主演を務めた中尾有伽さんにインタビューを敢行。研ナオコさんとの撮影の裏話や役作りについてなど、たっぷりお聞きした。(取材・文:タナカシカ)
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役作りで意識した「嘘のない素直さ」
―――本作は一見すると、介護やソープ嬢といった重めのテーマを扱っているように思いました。ポップな色使いや中尾さん演じる加那の明るさも相まって、とても楽しく拝見させていただきました。まずは、本作の台本を読んだときの感想をお聞きできますか?
「題材的に重いテーマなので、最初は陰鬱な雰囲気になるのかなと思っていたのですが、まったくそんなことはなく、爽快な作品に仕上がっていて、とても驚きました。
もともと監督から『テーマは重いけれど、ポップに見せたい』というお話をいただいていたので、それを踏まえて、物語の中でどうポップさを表現していくかを考えながら取り組みました。結果として、とてもワクワクするような気持ちになる作品になったと思います」
―――ご自身が演じられた、加耶というキャラクターをどのように解釈し、役づくりされたのでしょうか?
「自分に重ねて考えてしまうところがあって、この役をいただいた際、『どうやって演じようかな』『どんな自分になろうかな』ということを考えました。もちろん、考えてできることではないですが、人から愛されるキャラクターになってほしい、という思いで臨みました」
―――加那をポップに見せるために、どのように工夫されたのでしょうか?
「もともと私自身、気持ちが落ちるときは一気に落ち、上がるときは一気に上がるクセがあって…役作りの際に自分自身と結びつけていくタイプなんです。ただ今回の作品では、加那が感情的に落ち込む場面でそのクセが強く出てしまうと、シーンが必要以上に濃く、目立ちすぎてしまう恐れがありました。そのため、気持ちを落としすぎないよう、バランスを意識しながら演じることを心がけました」
―――加那は、表情がコロコロと変わり、その姿に人が惹きつけられるような魅力を持ったキャラクターだと感じました。
「ありがとうございます。それはすごく意識していました。感情がわかりやすく表に出る、いわば『嘘がつけない、まっすぐな子』というイメージでしょうか。嘘をつかず、まっすぐな子として加那を演じられたらいいな、と思いながら取り組みました」