カラフルなお菓子に込められたメッセージ

映画『たべっ子どうぶつ THE MOVIE』
©ギンビス ©劇場版「たべっ子どうぶつ」製作委員会

 劇中の世界では、お菓子のキャラクターは皆「おかしーず」と呼ばれ、おかしーずは人間がお菓子を食べると魔法のように出現して、「いただきます!」と言うとお菓子の状態に戻る。

 ただキャラクターを借りて映画を作っているのではなく、ビスケット状態に変身するシーンがあったりと、ちゃんと“お菓子であること”を活かしたストーリーが組み立てられている。“たべっ子どうぶつのキャラクターファン”はもちろん、“たべっ子どうぶつバター味ファン”も楽しめる内容となっているのだ。

 そして、物語の舞台「スイーツランド」は、そんなお菓子が禁じられてしまった街だ。街を支配するのは「キングゴットン」と名乗る綿菓子をモチーフにした独裁者。綿菓子は砂糖を遠心力で糸状にしたシンプルなお菓子で、小麦粉とバターを混ぜて動物の形に香ばしく焼いておまけに英語までプリントしたたべっ子どうぶつとは対極の存在だ。

 この世のお菓子全てを綿菓子にしようとする“お菓子の単純化計画”に、カラフルなどうぶつビスケットたちが立ち向かう。多様性が叫ばれる時代ならではの、メッセージの込められた作品となっている。

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