是枝裕和「公平性への配慮と選出に至った理由」

是枝裕和監督
是枝裕和監督【写真:映画チャンネル編集部】

 本プロジェクトへの関わりについて、是枝監督は以下のように振り返った。

「昨年のカンヌでIMAGICA GROUPのOLMの方からプロジェクトの話を伺い、私が関わっている分福でも企画を紹介しました。その後、審査員を引き受けることになりましたが、関係者が多い中で公平性を保つため、脚本内容や発展には口を出さないようにしてきました。

88本から11本に絞られた際、友人・知人の作品が4本もあり、公平性の観点から悩みましたが、引き受けた以上、脚本のクオリティを基準にフラットに評価することを徹底しました。その結果、私の中で一番光っていると思ったのが寺田さんの企画でした」

 寺田の脚本については、そのリアリティとユーモアに驚かされたと語りつつ、現場経験がない点については次のように言及した。

「脚本は非常に完成度が高く、ユーモアもあり、正直驚きました。ただ、現場での演出経験がないため、まずは短編作品などで経験を積ませたいという思いもあります。そこは一緒に支えていければと思っています」

『Maria』の撮影はこれから行われ、完成後は国際映画祭への出品を目指す予定だ。また、2026年には「IMAGICA GROUPオリジナル映画製作プロジェクト」の第2弾作品が発表される見込みだ。

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