【カンヌ現地取材】「自分でも驚いた」広瀬すずが明かす“役”の完成形とカンヌで得た確信とは? 映画『遠い山なみの光』の挑戦
text by 編集部
カズオ・イシグロ原作『遠い山なみの光』が石川慶監督により映画化。第78回カンヌ国際映画祭「ある視点」部門で公式上映され、観客から熱いスタンディングオベーションが贈られた。囲み取材では石川監督や広瀬すず、吉田羊らが作品への想いを語り、悦子という人物に込めた“記憶と再生”の物語を紐解いた。(文・山田剛志)
三浦友和「スタンディングオベーションを受けたのは人生で初めて」
ノーベル賞作家カズオ・イシグロが1982年に発表した長編小説を、『ある男』(2022年)の石川慶監督が大胆に翻案した映画『遠い山なみの光』が、第78回カンヌ国際映画祭「ある視点」部門に正式出品され、5月15日に公式上映された。
終映後、場内はスタンディングオベーションに包まれ、割れんばかりの拍手が鳴り響いた。余韻が冷めやらぬなか、石川慶監督、主演の広瀬すず、共演の三浦友和、松下洸平、吉田羊、カミラ・アイコ、そして原作者のカズオ・イシグロが囲み取材に応じた。
初のカンヌ参加となる三浦友和は「スタンディングオベーションを受けたのは人生で初めて。心から感動しました。観客の皆さんの拍手に胸が熱くなり、この作品が世界中で観てもらえることに大きな喜びを感じています」と語った。
同じく初参加の松下洸平も「街全体が映画一色で、すごく温かく迎えていただきました。もっとこの時間を楽しみたい」と興奮気味に語った。