【カンヌ現地取材】渋谷から世界へ──映画『見はらし世代』カンヌを席巻。満員の客席を沸かせた主演・黒崎煌代の一言とは?

text by 編集部

開催中の第78回カンヌ国際映画祭監督週間部門にて、新鋭・団塚唯我がメガホンをとり、NHK朝ドラ『ブギウギ』の熱演が記憶に新しい黒崎煌代が主演を務めた映画『見はらし世代』の公式上映が5月16日に行われた。現地の模様を速報する。(取材・文:山田剛志)

カンヌの観客が若き才能を祝福

映画『見はらし世代』カンヌ国際映画祭での舞台挨拶の様子
映画『見はらし世代』カンヌ国際映画祭での舞台挨拶の様子【写真:映画チャンネル編集部】

 カンヌ国際映画祭「監督週間部門」は、北野武(『キッズ・リターン』)、黒沢清(『カリスマ』)、三池崇史(『極道恐怖大劇場 牛頭』)といった日本を代表する監督たちが世界に羽ばたくきっかけとなった歴史ある部門。昨年は山中瑶子監督の『ナミビアの砂漠』が話題を呼んだが、今年は団塚唯我がメガホンをとり、黒崎煌代が主演を務めた映画『見はらし世代』が選出された。

上映前、団塚監督と黒崎は壇上に上がり、流暢なフランス語で挨拶。客席から温かい拍手が送られた。

 続いて黒崎は日本語で「実は私、まだこの映画を観ていないんです」と明かし、観客の笑いを誘ったあと、「今とてもドキドキしています。今日は皆さんと一緒に、初めてこの作品を楽しみたいと思っています。どうぞよろしくお願いいたします」と語り、挨拶を締めくくった。

 本作は再開発が進む東京・渋谷を舞台に、壊れゆく家族と都市の姿をユニークなカメラワークで切り取った野心作。上映後、約7分間にわたってスタンディングオベーションが巻き起こり、満員の会場は日本映画の新たな才能を発見した興奮と喜びで満たされた。

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