「早川千絵監督の背中を追えたら」カンヌ国際映画祭で脚光を浴びた映画『ジンジャー・ボーイ』、田中未来監督独占インタビュー

text by 林瑞絵

映画学校の学生監督の作品が集まる「La Cinef(ラ・シネフ)」部門。日本からは、ENBUゼミナールの卒業制作作品であり、学生時代の友情の行方を見届ける田中未来監督の『ジンジャー・ボーイ』がエントリーし、並み居るライバルを押しのけて見事、共同3等賞を受賞した。5月21日のLa Cinef上映後、田中監督にお話を聞いた。(取材・文:林瑞絵)

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【「La Cinef(ラ・シネフ)」部門とは?】

カンヌの名物ディレクターだったジル・ジャコブが1998年に若い才能を支援するため立ち上げた部門で、旧名称は「シネフォンダシオン」。今年から名前もすっきりと呼びやすくなり、新たな再出発へ。

「出品が決まってびっくりした」
舞台挨拶では英語でスピーチも

映画『ジンジャー・ボーイ』舞台挨拶の様子【写真:林瑞絵】
映画『ジンジャー・ボーイ』舞台挨拶の様子【写真:林瑞絵】

ーー上映直後の感想は?

「さまざまな国の人に見ていただく機会が得られて、大変嬉しかったです。上映後も、多くの方からポジティブな感想を頂きました。以前東京に住んでいた外国人の方からは、『東京の風景が魅力的で、当時を思い出した』とも言ってもらえました」

ーー出品の経緯は?

「カンヌ国際映画祭は有名な映画祭なので名前は知っていて。調べてみたら、学生部門に出せることが分かり応募しました。せっかくの記念という気持ちで気軽に応募したので、出品が決まったときはびっくりしてしばらく信じられませんでした」

ーー舞台挨拶では作品のテーマまで英語で話されていたが。

「日本人の通訳さんがいらっしゃらないとのこともあったのと、より多くの人にテーマが伝わればと思い、英語で話しました。

この映画は「友情の終わり」というテーマがあり、2人の青年が久しぶりに再会し、じんわりと友情が終わるまでの過程を描いてます。見た人に青春時代の友情の儚さや、大人になった人間関係の難しさを感じてもらいたいです」

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