「パートナーとして信頼関係を築けた」映画『か「」く「」し「」ご「」と「』中川駿監督が語る、主演・奥平大兼の魅力とは?
text by タナカシカ
作家・住野よるによる小説を原作とし、奥平大兼と出口夏希がW主演を務める映画『か「」く「」し「」ご「」と「』が5月30日(金)より公開中。今回は、本作でメガホンを取った中川駿監督にインタビューを敢行。撮影の裏側や、本作への想いについてたっぷりとお聞きした。(取材・文:タナカシカ)
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前作『カランコエの花』から始まった“縁”
―――本作は、住野よるさんの小説を原作とした作品ですが、まずは本作へ参加された経緯について、お聞かせいただけますか?
「私は今回、お話をいただいた立場なんですが、以前、朝井リョウさん原作の『少女は卒業しない』(集英社)という高校生の群像劇を映画化させていただいたことがありまして、その作品をご覧になったプロデューサーチームの方々が、『この原作をこの監督で撮ったら面白いんじゃないか』と思ってくださったそうなんです。それがきっかけで『撮ってみませんか?』とお声がけいただいたのが、最初の出会いでした」
―――前作『少女は卒業しない』(2023)も高校生たちの群像劇で、2018年に公開された『カランコエの花』も高校を舞台とした作品でしたよね。中川監督の作品は、一貫して10代の若者を描いていますが、原作選びや企画に関わる際に、何かご自身の中で基準や考えなどがあるのでしょうか。
「『少女は卒業しない』も、実は私自身が選んだというよりかは、『カランコエの花』を観てくださったプロデューサーチームからお話をいただいた形なんです。
『カランコエの花』をきっかけに、『高校生を題材にした作品が撮れる』と認識していただいたことから、『少女は卒業しない』のお話しがきて、さらにその延長線上で『か「」く「」し「」ご「」と「』のお話しもいただいた、という流れなんです。『カランコエの花』をきっかけに、ご縁が続いています」