ホーム » 投稿 » 日本映画 » レビュー » 映画「台風クラブ」脚本は”意味不明”? 名匠・相米慎二監督による圧巻の演出とは?<あらすじ 解説 考察 レビュー> » Page 2

台風クラブ 【ネタバレあり】あらすじ

その日、寝坊した理恵は学校をサボり、電車で東京へ向かう。理恵が無断で学校を休んだことや、台風の到来などイレギュラーな事態が立て続けに起きたことにより、生徒たちのテンションはどこかおかしい。

美智子はパーソナルな問題を学校に持ち込む梅宮に不満を抱いており、サシで話をするために教室で彼を待っている。そこに現れたのは梅宮ではなく、健である。健は逃げる美智子を追い駆けていく。一方、梅宮は美智子が帰宅したと判断し、雨がひどくならないうちに、学校に施錠をして帰宅してしまう。

健は美智子を追い詰め、彼女の服を強引に剥がす。美智子の体に刻まれた、火傷の跡を目にした健は一転して、冷静になる。校内には三上と女子生徒数人も残っており、程なくして健と美智子に合流する。

台風は上陸し、学校の外は豪雨と強風が吹き荒れている。ここ数カ月、三上は人生の意味について考えており、難しい顔で物思いにふけっている。荒れ狂う天候に影響されたのか、校内に残された生徒たちは理性を失いかけており、服を脱いで、下着姿で踊り出す。

三上は彼らの様子を心配し、梅宮の自宅に電話をかける。しかし、梅宮は泥酔しており、まともに取り合おうとしない。梅宮に失望した三上は、途中から自らも服を脱ぎ、狂乱に加わるのだった。

一方、東京に出た理恵は大学生の小林(尾美としのり)にナンパされ、洋服を買ってもらった挙句、家についていくことに。しかし、急に怖くなったのか「外は台風で危ないよ」と声をかける小林をよそに、家を飛び出した。理恵は豪雨の中、傘も差さずに街を彷徨う。

夜が明けると、教室の外は雨が降り止んでいる。踊り疲れて眠る少年少女たち。1人だけ起きている三上は、机を積み上げた高所に座り、開け放たれた窓の外を見ている。生徒たちが次々に目を覚ます中、三上は「死は生に先行するんだ。見ろ、これが死だ!」と意味深な言葉を叫び、窓に身を投げる。

悲鳴を上げる生徒たち。地上に駆け付けると、三上の体は頭から地面に突き刺さり、地面からは二本の足が突き出ている。

東京から帰ってきた理恵は、元気に登校する。彼女はまだ三上の死を知らない。途中で明と合流し、校庭の水たまりに足を取られながらも、校舎に向かって一歩一歩足を踏みしていくのだった。

Watch on Apple TV

1 2 3 4 5 6 7 8