30年ぶりに花咲く思い出話にファン熱狂。超力戦隊オーレンジャー、“助走・全力”のファンミーティングの様子を独占レポート
1995年に放送され少年たちを虜にした『超力戦隊オーレンジャー』。その30周年記念イベント「超力戦隊オーレンジャー 放送開始30周年記念!オレたち、永遠のオーレンジャー!」が8月に開催される。そこで今回はキャスト3名が登壇した“助走・全力”のファンミーティングに密着。終演後には独占インタビューを行った。(取材・文:Nui)
30年の時を経て再会した隊員たち
『超力戦隊オーレンジャー』は、戦隊シリーズの20周年記念作品として制作された特撮テレビドラマ。舞台は、マシン帝国バラノイアに侵略された1999年の地球で、U・A(国際空軍)参謀長の三浦尚之に選ばれた5人の若者(防衛組織・超力戦隊オーレンジャー)が、超古代文明の超力を武器にマシン獣軍団に立ち向かう姿を描いており、コミカルさとシリアスさを両立した演出や、さとう珠緒や麻生あゆみら女性隊員の人気も話題を呼んだ。
今回のファンミーティングは、8月3日に一ツ橋ホール (東京都)で行われる「超力戦隊オーレンジャー 放送開始30周年記念!オレたち、永遠のオーレンジャー!」の助走イベント。昼・夜の2回公演はどちらも完売の満員御礼で、早くもファンの期待が窺えた。
そんな本イベントの目玉は、なんといっても、宍戸マサル(星野吾郎/オーレッド)、合田雅吏(三田裕司/オーブルー)、さとう珠緒(丸尾桃/オーピンク)というメインキャスト3人の再会だろう。
現在、宍戸はムード歌謡グループ「新☆ハッピー&ブルー」のリーダー兼リードボーカルとして、合田は俳優として現代劇や時代劇、2.5次元舞台まで幅広く活躍。さとうもタレントや女優として活動しており、SNS投稿はすぐにネットニュースになる人気ぶりを誇っている。違う畑で活躍する3人が、およそ30年の時を経て公の場で再会するのだ。
イベント当日は、緊張のためか大人しかった客席も、いざ3人が登場すると拍手喝さいが沸き起こり、一気に感激ムードに包まれた。特に、29年前と変わらぬさとうの姿には、女性ファンたちから「可愛い!」という歓声も飛び、待ちに待ったファンとの対面に3人も感動の面持ちだった。
また、放送以来のオーレンジャー関連イベントへの参加となる合田は、オーブルーにちなんで、右目に青いカラーコンタクトを入れて登壇。8月の本番で両眼が揃うという。一見クールな合田のうちにたぎる情熱と、この30周年企画にかける気合いが窺えた。
なお、昼公演では、宍戸と合田が、歌手の水森かおりとの出会いが本企画のきっかけになったことを打ち明けた。実は水森、放送当時甥と本放送を見ており、後に歌手活動やドラマを通じて宍戸や合田と縁ができたという。そしてその後、宍戸と合田が水森のYouTubeチャンネルに出演。そんな流れが、30周年企画への本格的な足掛かりとなったのだ。
30年ぶりに花咲く思い出話
続いて会場は、撮影当時の思い出を振り返るムードに。合田が「みんなで話していると、どうでもいいことばかり思い出す」というだけあって、撮影所の裏にあったショッピングモールのおもちゃ売り場で宍戸と合田が子どもの肩を叩いてびっくりさせていたことなど、次々と飛び出す細かいエピソードがファンを喜ばせた。
撮影のエピソードでは、宍戸が合田とさとうから極寒の埼玉の山間部で行われた第1話の撮影に参加していなかったことを責められタジタジに。
また、どんな特撮作品を見ていたか、という話題で、合田が『仮面ライダーX』(1974、NET系列)、『仮面ライダーアマゾン』(1974~1975、NET系列)、『愛の戦士レインボーマン』(1972~1973、NET系列)を回答。宍戸は『怪傑ライオン丸』(1972~1973、フジテレビ系)、『スペクトルマン』(1971~1972、フジテレビ系)、そして三浦参謀長役の宮内洋の代表作『仮面ライダーV3』(1973~1974、NET系列)を挙げた。
また、さとうは『美少女仮面ポワトリン』(1990、フジテレビ系)『がんばれ!!ロボコン』(1974~1977、NET系列)『鳥人戦隊ジェットマン』(1991~1992、テレビ朝日系)と回答。3人が作品名を挙げるたびに、ファンからは喜びの唸り声が聞こえた。
続いて3人は宮内とのエピソードも披露。撮影所の喫茶店でピラフをごちそうしてもらったことや、宮内の家で餃子100個をごちそうになった後、宮内の過去作品を鑑賞したことを明かした。しかし、宍戸が、宮内の作品を朝まですべて鑑賞したのは自分だけであることを暴露。合田は「リーダー(宍戸)とグリーン(正岡)以外は適当だった」と笑い、寝落ちしてしまったことを認めた。
なお、イベントでは、様々な監督とのエピソードや、撮影中に宍戸が通称“ナパーム“(爆発)の中に入ってしまい、髪の毛や睫毛が焦げてさとうにマスカラを借りたことなど、驚きの裏話や笑える裏話まで思い出は尽きなかった。
また、8月に向けてドラマ本編を見返しているという合田は、オーブルーのスーツアクターの竹内康博氏や『光戦隊マスクマン』(1987~1988、テレビ朝日系)でレッドマスクを演じた海津亮介氏が第1話に出演していることに気づいたと告白。時間が経って初めて知る驚きを語っていた。
硬く結ばれた隊員たちの絆
続いて、今回、会場に来られなかった正岡邦夫(四日市昌平/オーグリーン)と、麻生あゆみ(二条樹里 /オーイエロー)の話題になると、宍戸が「正岡は真面目すぎた!役に入り込むために真剣だった」とコメント。そんな正岡が大遅刻をし、タクシーで数万円かけて現場にやってきたエピソードなども懐かしそうに振り返った。
また、さとうはビールのキャンペーンガールを掛け持ちしていた麻生について、「忙しくて、ちょっとピリピリしていたかな」と回顧。3人の口からは、初芝居だった合田とさとうが緊張していたのに対し、麻生と子役経験のある宍戸が落ち着き払っていたことが語られた。
そして、この流れでMCが正岡と麻生の手紙を代読。現在は芸能界を引退しているふたりだが、オーレンジャーというかけがえのない作品との出逢いへの感謝と8月に5人が集まる奇跡、そしてファンと再会できる喜びが伝わる内容だった(正岡は現在岩手県で電気工事会社を経営しており、7月ごろにYouTubeチャンネル「現場メシ【職人ドキュメンタリー】」に出演する予定とのこと)。
なお、5人は、30周年企画に先駆けてオンラインミーティングで再会。合田は、ミーティング時点ですでに涙腺が緩んでいたと語り、当時の撮影の打ち上げの後、2時間ほど眠ってから始発で撮影に向かっていたことなど、「平成だったのにノリは昭和だった」撮影を懐かしく振り返った。
なお、宍戸はイベント中、「5人で集まれるのは最後になるかも」と口にしている。撮影当時は20代の若者だった5人も、50代を迎えてそれぞれの場所で人生を歩んでいる。8月3日の再集結イベントがいかに貴重か、会場のファンは改めて感じ取っただろう。
ファンの胸を熱くさせる5人の勇姿
イベントも後半に入ると、スクリーンには思い出の写真が登場し、会場からは喜びの声が上がった。
ことあるごとにさとうにツッコみを入れる宍戸は、まるで妹を可愛がる兄という雰囲気だったが、合田によると、初顔合わせのときに役名で呼び合うよう提案したりと、場を仕切るリーダーとしての一面もしっかり持ち合わせていたという。
また、会場では、後楽園ゆうえんちでのヒーローショー開催時の写真や、怪我のメイクをした5人の写真、さらに学生時代の3人の写真を披露なども披露(学生時代の写真は宍戸のXで公開中)。ベテラン3人の若き日のひたむきな姿は、当時のファンの胸を熱くさせていた。
なお、夜の部では、貴重な第1話の絵コンテと、模型を使ったバラノイア帝国の撮影風景写真が初公開。これには3人も感慨深い様子で、「こんなふうに撮られていたんだ」と感激していた。
そして、ファンとの特別な時間をたっぷり楽しみたいと企画されたイベントは、特撮ソングのジェスチャークイズやじゃんけん大会、ファンとのプレゼント交流、変身ポーズの披露を経て、主題歌の大合唱へ。
昼の部ではオープニング曲「オーレ! オーレンジャー」が、夜の部ではエンディング曲「緊急発進!! オーレンジャー」が歌われ、アンコールとして「虹色クリスタルスカイ」のイントロが流れはじめると、会場の興奮は最高潮に達し、熱い一体感に包まれた。
そして、帰りは出口で3人がファンを見送るというスペシャルな演出も行われ、各々輝く笑顔でファンとハイタッチ。3人とファン双方にとって特別な時間になった。
なお、8月3日のイベントには、歌手の速水けんたろうがスペシャルゲストに決定。生で本人歌唱を聞けるチャンスは逃せない。加えて、出演者のお見送りも5人揃って行われる予定だ。また、今回の30周年記念にあわせて、TVシリーズの廉価版DVDも販売が決定。ぜひ手元に迎えたい。
30年前にタイムスリップしたような感覚
——今回のファンミーティングはいつ頃に企画されたのでしょうか?
合田「8月のイベントは去年から動いてるけど、ファンミーティングは今年入ってから。夏のイベントの前にもう一回やらない?っていう感じで」
宍戸「8月を盛り上げるために、助走的なイベントをやろうじゃないかってことで決まったんだよね」
——正岡さんと麻生さんは地方にお住まいなんですよね?
合田「そう。だからそう簡単には集まれない。でも何かやるんだったら5人揃わないと意味がないよねっていう話になって。2人が賛同してくれたので、そこから本格的に動き始めたね」
——ついに今日、始まったという感じですか?
合田「そうねえ!」
——気合いがすごいですね!
合田「(笑)だって、20周年のときは、京都で撮影があって俺は行けなかったじゃない?」
さとう「来られなかったもんねえ」
合田「東京だったら撮影後に駆けつけることができたんだけど、京都だからどうにも間に合わなくて」
宍戸「そのリベンジも兼ねてという感じ。20周年のときは、立川の知り合いの店で俺が企画したんだけど、口コミで80人くらい集まったかな」
——あのときは麻生さんと正岡さんもいらっしゃいましたよね。
宍戸「そう、裕司(合田)だけが来られなかった」
合田「俺はコメントだけ出したね」
——では、8月のイベントは本当に29年ぶりに全員が揃うんですね。
宍戸「そう。だから、本当にレア!」
——皆さんにとって、オーレンジャーからの29年はどのような感じでしたか?
さとう「今日のイベントをやってみたら、当時の感覚が戻ってきて、あっという間だなっていう感じがして…」
合田「戻るよね、なんか」
宍戸「戻るね。みんなで集まると、あれ、昨日撮影してた? みたいな感覚になる(笑)」
合田「5人集まったら、よけいにそう感じるんじゃないかな。たぶん最初は、久しぶり! ってなるけど、落ち着いちゃう感じがする(笑)」
——ファンミーティングの中では、どうでもいい思い出ばかり出てくるとおっしゃっていましたが、ファンはそんな話こそ聞きたいのでは?
宍戸「そうだと思うよね(笑)。8月は大々的なイベントだから、あんまりそういう細かい話ができないと思うけど」
合田「だからこそ、そういうことも今日やりたいねって話もしてたんだよね」
海を渡るオーレンジャー
——ちなみに、今日は子どもの頃に唯一見ていた戦隊ヒーローがオーレンジャーだったという友人もイベントに来ていたんです。その彼が以前、合田さんが小田原で主催している「ピンクシャツデー」というイベントで初めて合田さんにお目にかかったときに、「三田裕司さん…?」と恐る恐る訊ねていて、それが微笑ましかったんですよ。
さとう「へえ〜!」
宍戸「はあ〜、そっかあ、そうだよね」
合田「彼にとっては三田裕司なんだよね」
——彼も今日は胸いっぱいの顔で帰っていきました。そんな子どものときに見ていた世代のファンも8月のイベントにたくさん来てほしいですね。
さとう「今日も親子で来てくださった方もいらっしゃったし、外国の方もいらっしゃったので、いろんな方に来ていただきたいなあ」
宍戸「北米やフィリピンでDVDが発売されたり、いろんなところで人気も出ているみたいだしね。最近は海外のイベントにも呼んでもらってます」
——海外版は吹き替えですか?
宍戸「字幕なので、自分たちの声のままだね」
——それはいいですね。面白いセリフが多いので言い方のニュアンスが残るのは嬉しいです。たとえば、裕司のセリフで「謝れよ!21歳の美青年に対して!」とか。合田さん覚えてますか?(笑)
合田「知らない!(笑)俺まだそこまで見てない。そんなこと言ったの覚えてない(笑)」
さとう「(笑)」
宍戸「あったなあ、そんなの!」
——他にも面白いセリフがたくさんありますし、新しく変身用の「パワーブレス」とDVDも出ますから、色んな方に見返していただきたいですね。最後に、今日のファンミーティングに来られなかった方々に一言ずつ頂けますか?
合田「今日は東京のライブハウスでやったので、来られなかった人がいっぱいいると思うんですけど、できれば8月3日に来てもらいたいですね。今日もかなり盛り上がって楽しい話がいっぱいできたし、みんなで力を合わせてもっともっと10倍くらい面白いことをやっていくので、ぜひぜひ参加してほしいです!みんなで思い出を作りたい!」
宍戸「本当にそれに尽きるかな。本当に5人揃うのは最後かもしれないから、レアな姿を目に焼き付けて貰いたいなって…。その思いが一番強いかな」
さとう「今日の様子も少しだけ動画で配信されるらしいので、チェックしていただきたいですね。8月3日はもっと夢のような時間が過ごせるといいなと思ってるので、ぜひ楽しみに来てほしいなって思います!やっぱり生で見てもらいたいな!」
「やりたいことが多すぎる。ファンが見たいことをできる限りやりたい」と語る3人。その希望に満ちた思いは、まさに主題歌のとおり、”走りだしたら止まらない”!
©東映
『超力戦隊オーレンジャー放送開始30周年記念!オレたち、永遠のオーレンジャー!』
【開催日】 2025年8月3日(日)
【会場】 日本教育会館 一ツ橋ホール(東京都千代田区一ツ橋2丁目6-2)
【時間】 ①12:00の回(開場 11:00~) ②17:00の回(開場 16:00~)
【登壇者(予定)】
宍戸マサル/正岡邦夫/合田雅吏/麻生あゆみ/さとう珠緒 ほか
スペシャルゲスト:速水けんたろう
※登壇者、スペシャルゲストについては変更となる場合がございます。予めご了承下さい。
※スペシャルステージ実施にともない、当初発表しておりました「TVシリーズ 生コメンタリー上映」は内容変更させていただきます。
【チケット】
◎「超力基地席」 6,500円(税込) ※キャストがハイタッチでお見送り致します。
《チケット販売について》
お申し込み→チケットぴあ※インターネットのみの販売
お支払い方法:クレジットカード、後払い powered by atone、セブン-イレブンで支払、ファミリーマートで支払
◎一般販売:5月20日(火)10:00~8月2日(土)18:00 ※受付枚数:お一人様4枚まで
チケットぴあ
【DVD情報:TVシリーズもお求めになりやすい廉価版で7月9日(水)発売決定!!】
2025年7月9日(水) 各巻13,200円(税込)
時に、西暦1999年――。マシン帝国バラノイアが、地球侵略を開始した。U・A(国際空軍)の三浦尚之参謀長は、これに対抗するため、防衛組織・超力戦隊オーレンジャーを組織。選ばれし5人の若者は、強化スーツを着用し、バラノイアのマシン獣軍団に敢然と立ち向かっていく!
●各巻初回特典
◆ブックレット
※初回特典は限定生産品です。在庫がなくなり次第、通常の仕様での販売となります。
●各巻映像特典
◆別バージョン予告
【収録話数】
VOL.1:第1話~第24話
VOL.2:第25話~48話
【キャスト】
宍戸勝(現:宍戸マサル)、正岡邦夫、合田雅吏、麻生あゆみ、珠緒(現:さとう珠緒)、山口将司、和田理沙、宮内洋
(声の出演)大平透、松島みのり、関智一、山田美穂、肝付兼太、安達忍、檜山修之、神谷明
【スタッフ】
原作:八手三郎
プロデューサー:梶淳(テレビ朝日)、吉川進・鈴木武幸・髙寺成紀(東映) 脚本:杉村升、井上敏樹、上原正三、曽田博久、高久進
音楽:横山菁児 アクション監督:山岡淳二・新堀和男・村上潤(ジャパン・アクション・クラブ) 特撮監督:佛田洋 監督:東條昭平、辻野正人、小笠原猛、佛田洋、小林義明、長石多可男、田﨑竜太
【放送期間】
1995年3月~1996年2月 全国テレビ朝日系にて放送
【コピーライト】
©東映
発売・販売元:東映ビデオ
【著者プロフィール:Nui】
画家・文筆家・時代劇リサーチャー。2021年より主に時代劇の美男子を描く作家として活動開始。現在、様々な俳優の取材を通して勉強中。主な仕事に『FINAL FANTASY ⅩⅥ』広告絵画参加、ラジオ&Podcast「時代劇が好きなのだ!」パーソナリティ、月刊『コミック乱』イラストコラム連載など。最近では、原田龍二&合田雅吏のイラストで「We♥︎助格ステッカー」も制作。ドラマ制作会社の年賀状イラストも手がける。
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【了】