「下手をすれば捜査妨害で逮捕もの」
元探偵事務所在籍者が一刀両断
筆者は1年半ほど探偵事務所に内勤として勤めていた経験がある。その経験から言えることは、実際のところ「探偵業」は実に地味であり、根気が求められる、いわば“日陰的”な仕事であるということだ。
プロとして淡々と与えられた依頼に応える一方、あまり自分のことを話したがらない人も多く、私生活が謎に包まれている人も多かった。勘やひらめきで問題を解決するなど、実際はあり得ないことだ。
その視点でいえば、同作は「探偵事務所を舞台としたサスペンスコメディー」であり、決して「探偵映画」ではない。エンドロールを見ても探偵事務所から監修を受けた形跡はない。
そもそも、死者が出た時点で、その捜査権は、警察の捜査一課に移り、その過程をすっ飛ばして、勝手に捜査したり、犯人と思われる者のアジトに乗り込むなどの行為は、下手をすれば捜査妨害で逮捕ものだ。