まるで『千と千尋の神隠し』の湯婆婆？
夏木マリの怪演に注目！

ハナを護衛する特殊機関の捜査員・佐伯玲子（朝比奈彩）も非常に魅力あふれるキャラクターだ。冷たい女性として登場するのだが、ハナを護衛しているうちに、かつて、自身もいじめられっ子だったという過去から、彼女に感情移入。そして、いじめっ子らハナを救ってからは良き理解者となる。

一方、スピリチュアルな能力を持つ老婆は、『千と千尋の神隠し』に登場する湯婆婆のオマージュだろう。同作の舞台版において湯婆婆を演じた、夏木マリを起用しているところといい、主人公・ハナにミッションを与える役どころといい、類似点がある。

しかし、単なるパロディに陥っていないのは、夏木マリのあたたかくハルを愛でるような眼差しの芝居が逐一的確で、観る者の心を打つからに他ならない。