邦画はどこから来たのか
邦画とは何なのか
邦画はどこへ行くのか
「皆殺し映画通信」をはじめるとき、とりあえず十年はやろうと考えた。十年も皆殺し映画を見続ければ、何かしらわかることもあるだろう、と考えたからだ。
まず何よりも映画を「見る」こと。宣伝文句にも他人の評にも影響されることなく、虚心坦懐に映画と向かいあう、それこそがやりたかったことである。
いつからか、映画は映画のプロフェッショナルが作り、映画館で上映されるものではなくなった。
映画館ではない場所で上映され、映画のことなど何も知らない人間が作るもの、それを映画ではないと切り捨てられるほどことは簡単ではない。
すべてが許され、すべてが映画なのである。できるのは、目の前のスクリーンに投影されたものをただ見ることだけだ。
お前たち人間には信じられない光景を俺は見てきた……。
(本書はじめにより一部抜粋)
【収録作品】
『シン・ウルトラマン』
『東京2020オリンピック SIDE:A』
『東京2020オリンピック SIDE:B』
『夜明けまでバス停で』
『月の満ち欠け』
『大怪獣のあとしまつ』
『ブラックナイトパレード』
『貞子DX』
『Revolution+1』
『今夜、世界からこの恋が消えても』
『愛国女子―紅武士道』
『映画文豪ストレイドッグス BEAST 』
『森の中のレストラン』
『カラダ探し』
『弟とアンドロイドと僕』
『耳をすませば』
など、怒濤の日本映画レビュー35本!!
【本書の内容】
はじめに 皆殺し映画を追いかけて
皆殺し映画通信 日本映画35本レビュー掲載
「皆殺し映画通信LIVE 収録」
第一部 皆殺し映画2022 総決算
第二部 皆殺し映画放談2022
柳下毅一郎(映画評論家)×三留まゆみ(イラストライター)
第三部 皆殺し映画10 周年総決算
第四部 まち映画放談2022
柳下毅一郎(映画評論家)×藤橋誠(映画監督・まち映画制作事務所代表)
第五部 皆殺し映画10 年間のベスト10 映画+1
永久保存版特別附録 『皆殺し映画通信』総索引(2012-2022)
【著者プロフィール】
柳下毅一郎(やなした・きいちろう)
1963年大阪生まれ。映画評論家・翻訳家。雑誌『宝島』の編集者を経てフリー。ガース柳下の筆名で『ファビュラス・バーカー・ボーイズの映画欠席裁判』(洋泉社/文春文庫)を町山智浩と共著。
著書『興行師たちの映画史 エクスプロイテーション・フィルム全史』(青土社)など。訳書にアラン・ムーア/ジェイセン・バロウズ<ネオノミコン>シリーズ、ジョン・ウォーターズ『ジョン・ウォーターズの地獄のアメリカ横断ヒッチハイク』(共に国書刊行会)、ウィリアム・リンゼイ・グレシャム『ナイトメア・アリー』(早川書房)など。監訳書に(東京創元社)などがある。2012年より日本映画の深淵を探る『皆殺し映画通信』シリーズをライフワークとして続けている。
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