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イメージ共有に欠かせないビデオコンテ
ロケハン時に気を付けるポイントとは

ビデオコンテのキャプション画像写真提供園村健介

―――クランクイン前に、映画監督とアクション監督はどのようにしてイメージのすり合わせをするのでしょうか?

「アクション監督それぞれのやり方があると思うのですが、僕の場合、まず、監督とのディスカッションで作品のコンセプトや方向性、アクションシーンをどのような雰囲気にしたいのかを聞き出します。それを踏まえて、自分なりのイメージを具現化した“ビデオコンテ”を制作します」

―――ビデオコンテとはどのようなものなのでしょうか?

「スタントマンを使ったリハーサル映像のようなものです。とはいえ、カット割りは完成形を想定しています。これが監督へのプレゼン資料になります。修正点があればそれをアクションに落とし込む作業を行い、オーケーが出れば、ビデオコンテを参考にして実際のロケ地で役者さんを使って撮影を行います」

―――イメージのすり合わせにはビデオコンテが必須なのですね。アクションシーンにおいて、ロケーションが果たす役割は大きいかと思います。アクション監督はロケハンに同行するのでしょうか? また、ロケハン時に気にする点も教えてください。

「激しいアクションが繰り広げられるシーンに関しては、必ずロケハンに同行して、空間の特徴を把握して、あまりに物が少ない場合などは、アクションに使えるような美術を発注することもあります。

ロケハン時に気にする点は、やっぱり広さですかね。あとは天井の高さ。メジャーで撮影場所の広さを測って、そのサイズに合わせて稽古場にテープを張り、その中でしっかり動けるかどうかを検証します。

ロケハン時に言葉で監督とイメージを共有して、稽古場にロケ地と同じ広さの空間を再現。そこでビデオコンテを制作して監督に見てもらう、という流れですね」

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