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タケミチの回想と場地の登場…。
原作からの改変ポイントに注目

真一郎役の高良健吾Getty Images

最後に原作からの目ぼしい改変点も指摘しておこう。

①パーちんの重要なシーンがタケミチの回想として描かれる

『1』においては、トーマンの発足メンバーであるパーちんが、メビウスの総長・長内をナイフで刺して、少年院に収監される原作の重要なシーンがカットされていた。

“改悪”とも言えるこのアレンジに「なぜ?」と、困惑を示した原作ファンは少なくないだろう。しかし、本作では、そんな不満を回収するように、上記のシーンがタケミチの回想場面として表現されているのだ。

この処理は賛否が分かれるところだが、個人的には『2』を盛り上げるための演出としてはアリ。もしかしたら製作陣は、前作の口コミを踏まえて、回想シーンを設けたのかもしれない。

②トーマン壱番隊隊長・場地圭介が最高の形で登場する

トーマン発足メンバーの1人。マイキーの幼馴染であり、元・東京卍會壱番隊隊長、場地圭介。かつて、マイキーの兄・真一郎が殺される現場に居合わせた過去を持つ、原作漫画のキーパーソンの一人だ。

原作漫画で彼が初めて登場するのは、メビウスとの抗争においてだ。大量の敵に囲まれて絶体絶命のトーマンの主要メンバーの前に颯爽と現れ、助っ人的な形で乱入する場面は、読者の心を震わせる素晴らしいシーンである。

なのに、あろうことか『1』ではその描写がなく、「え? 場地さん、出てこないの?」と失望したファンも少なくなかった。しかし、『2』にて、トーマンの集会にいきなり出てきて「俺はトーマンを抜けて、バルハラに入る!」と宣言するシーンは、インパクトたっぷりである。

原作でももちろんこのシーンはあるのだが、個人的には、初登場の魅せ方としては、映画版の方が勝っていると感じた。タケミチが「この人、何? 無茶苦茶だ!」と驚く様も、映画版の方が活きている。そこまで見越して『1』には出さなかったとしたら、制作陣のセンスには脱帽するしかない。

とにもかくにも、『2』は『3』公開の前に、観ておかなければならない物語の橋渡し的な作品だ。『1』も当然、チェックした上で、鑑賞することをお勧めする。

(文・ZAKKY)

【作品情報】
『東京リベンジャーズ2 血のハロウィン編 運命』
監督:英勉
原作:和久井健
脚本:高橋泉
キャスト:
タケミチ:北村匠海
ドラケン:山田裕貴
ナオト:杉野遥亮
ヒナタ:今田美桜
キヨマサ:鈴木伸之
三ツ谷眞:栄田郷敦
半間:清水尋也
アッくん:磯村勇斗
場地:永山絢斗
一虎:村上虹郎
千冬:高杉真宙
キサキ:間宮祥太朗
マイキー:吉沢亮
真一郎:高良健吾
配給:ワーナー・ブラザース映画
2023年製作/90分/日本
公式サイト

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