ホーム » 投稿 » 日本映画 » レビュー » 「やめてくださいよ」の殺人シーンがヤバすぎる…映画『ソナチネ』を徹底考察。 北野バイオレンス最高傑作、鮮烈なラストとは? » Page 7

沖縄音楽をモデルにした久石譲のミニマルな旋律〜音楽の魅力

音楽家・久石譲
音楽家久石譲Getty Images

本作の音楽を手掛けたのは久石譲。ジブリ映画の音楽なども手掛ける、言わずと知れた名匠で、北野武とは『あの夏、いちばん静かな海。』(1991年)でタッグを組んで以来、『Dolls』(2002年)まで7作品の音楽を手掛けている。

久石自身、「うまくいきすぎた」と語る本作の音楽。沖縄音楽を基調に、最小限のメロディを反復しながら少しずつ変化させるミニマルミュージックの手法を援用し、作中に漂う厭世感や微熱感を絶妙に表現している。

また、作中では、貝殻を擦り合わせた音や、ドラムロールの逆回転など、現代音楽さながらの実験的な試みが盛り込まれており、功を奏している。

なお、制作にあたっては、久石自身ソナチネの撮影現場である石垣島に足を運び、楽曲のインスピレーションを得たという。

楽曲の制作にあたり、北野がモデルとして挙げた曲は、なんとホラー映画の金字塔として名高い『エクソシスト』(1973年)。そう考えると、北野はヤクザ映画というよりもホラー映画を作ろうとしていたといってもあながち間違いではないかもしれない。

【関連記事】
なぜ偉大なのか…? 北野武監督作品おすすめ5選。最も凄いキタノ映画は? 日本が世界に誇る巨匠の傑作群を深掘り解説
最もイカれた戦争映画…。『地獄の黙示録』カーツ大佐はなぜ狂った? ワルキューレに込められた意味、特別完全版との違いを考察
何がすごい? 映画「七人の侍」は今観ても面白い! 海外も絶賛する理由は?<あらすじ 考察 解説 評価 レビュー>

1 2 3 4 5 6 7
error: Content is protected !!