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『すずめの戶締り』出演で話題の花瀬琴音、映画初主演作品。映画『遠いところ』場面写真一挙解禁

text by 編集部

沖縄のコザを舞台に、幼い息子と夫との3人暮らしをする17歳の主人公が社会の過酷な現実に直面する姿を描き、Variety誌が“貧困にあえぐ日本の性差別を、痛烈に告発する。溝口健二的な現代悲劇”と激賞した映画『遠いところ』が、6月9日沖縄先行、7月7日(金)より全国公開となる。今回、場面写真が一挙解禁された。

これは“映画”ではなく“現実”
次世代に残してはいけない問題がここにある

©2022 遠いところフィルムパートナーズ

主人公アオイを演じるのは、昨年『すずめの戶締り』への出演で話題を呼び、本作が映画初主演となる花瀬琴音。東京出身の彼女が、撮影の1ヶ月前から現地で生活し、“沖縄で生まれ育った若者”アオイを体現する。

アオイの友人、海音には映画初出演となる石田夢実、夫のマサヤには『衝動』(21)の佐久間祥朗が起用され、花瀬と同様に撮影1ヶ月前から現地入り、沖縄・コザで実際に体感した生活感溢れるリアルな演技を披露している。

©2022 遠いところフィルムパートナーズ

監督は、⻑編デビュー作『アイムクレイジー』(19)で、第22回富川国際ファンタスティック映画祭NETPAC賞(最優秀アジア映画賞)に輝いた工藤将亮。⻑編3作目のオリジナル作品『遠いところ』は、4年に渡り沖縄で取材を重ね脚本を執筆、全編沖縄での撮影を敢行した。

日本公開に先立ち、第56回カルロヴィ・ヴァリ国際映画祭で最高賞を競うコンペティション部門に日本映画として10年ぶりに正式出品、約8分間のスタンディング・オベーションを受けた。

さらに第23回東京フィルメックス[コンペティション部門 観客賞受賞]、第44回カイロ国際映画祭 [インターナショナル・パノラマ部門]、第53回インド国際映画祭(ゴア)[シネマ・オブ・ザ・ワールド部門]、ヨハネスブルグ映画祭など、海外映画祭で高く評価されている。

©2022 遠いところフィルムパートナーズ

社会の理不尽と不条理を突きつける。17歳の少女が直面する苛酷な現実をとらえた場面写真一挙6点を解禁。沖縄市のコザを舞台に、幼い息子と夫との3人暮らしをする17歳のアオイ(花瀬琴音)が、社会の過酷な現実に直面する姿を描く本作。今回、目を背けたくなるような現実に何度も直面しながらも、必死に生きようとする17歳の少女の姿を鮮烈にとらえた場面写真6点が一挙解禁された。

最初の一枚は、幼い息子、健吾を抱き上げたアオイをとらえている。生活費を稼ぐために夜の仕事を終えた彼女は、おばぁ(吉田妙子)に預けた子を迎えて自宅へと向かう。そして、息子を抱いたアオイが仕事もせずに飲んだくれる夫のマサヤ(久間祥朗)を切実に見つめている。彼女の瞳にはやるせない痛みが宿っている。

©2022 遠いところフィルムパートナーズ

沖縄では、十代の若さで水商売をする女性たちが少なくない。キャバクラで働くアオイにとって、同じ仕事をしている海音(石田夢実)は、日頃の悩みを打ち明けられるただひとりの親友だ。俯き加減のアオイと彼女を見つめる海音の姿が切ない。誰よりも大切な息子を抱くアオイはデイパックにTシャツを着ている。その姿は17歳の少女そのもの。そして、家計を支えるためにキャバクラで働くアオイが、仕事仲間から警察のガサ入れだと囁かれる場面へと続く。

©2022 遠いところフィルムパートナーズ

生活の糧である仕事を失ってしまったアオイは、酒浸りの夫を頼ることすらできずに追い込まれていく。遂には荒んだ彼女の生活を見かねた保護観察官が息子を保護。泣きながら健吾の姿を追っているアオイの姿に胸が締めつけられるカットも初解禁された。

ただ「普通に生きたい」と願いながらも、厳しい現実から逃げることすらできない彼女が最後に選んだ未来とは。決して目を背けてはならない現実を描く『遠いところ』を、ぜひ劇場で目撃してほしい。

©2022 遠いところフィルムパートナーズ

『遠いところ』が描くのは沖縄の局地的な社会問題ではなく、日本中のどこでも今まさに起こっている問題である。今を生きるすべての人に見つめてほしい次世代に残してはいけない問題を描く『遠いところ』は、6月9日(金)沖縄先行、7月7日(金)全国公開となる。

【ストーリー】

沖縄県・コザ。17歳のアオイは、夫のマサヤと幼い息子の健吾(ケンゴ)と3人で暮らし。おばぁに健吾を預け、生活のため友達の海音(ミオ)と朝までキャバクラで働くアオイだったが、建築現場で働いていた夫のマサヤは不満を漏らし仕事を辞め、アオイの収入だけの生活は益々苦しくなっていく。マサヤは新たな仕事を探そうともせず、いつしかアオイへ暴力を振るうようになっていた。

そんな中、キャバクラにガサ入れが入り、アオイは店で働けなくなる。悪いことは重なり、マサヤが僅かな貯金を持ち出し、姿を消してしまう。仕方なく義母の由紀恵(ユキエ)の家で暮らし始め、昼間の仕事を探すアオイだったがうまくいかず、さらにマサヤが暴力事件を起こし逮捕されたと連絡が入り、多額の被害者への示談金が必要になる。切羽詰まったアオイは、キャバクラの店⻑からある仕事の誘いを受ける…。

【作品情報】

キャスト
花瀬 琴音
石田夢実、佐久間祥朗、⻑谷川月起/松岡依都美
スタッフ
監督・脚本:工藤 将亮
エグゼクティブプロデューサー:古賀 俊輔 プロデューサー:キタガワ ユウキ アソシエイトプロデューサー:仲宗根 久乃
キャスティング:五藤 一泰 撮影:杉村 高之 照明:野村 直樹 サウンドデザイン:木原広滋、伊藤 裕規
音楽:茂野 雅道 美術:小林 蘭 共同脚本:鈴木 茉美
主題歌:“Thanks” by 唾奇
製作:Allen、ザフール
公式サイト
公式Twitter /afarshore_jp
配給ラビットハウス

『遠いところ』 7月7日(金)より全国順次ロードショー(6月9日(金)より沖縄先行公開)

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