知っておきたいポイント② 脚本・小林靖子、演出・渡辺一貫のセンスに脱帽!
脚本は『ジョジョ』アニメのシリーズ構成も担当している、小林靖子。彼女は戦隊シリーズや『仮面ライダー』シリーズなどでも知られる、名脚本家である。
そして、演出は『70才、初めて産みます~セブンティウイザン。~』(2020)などを手がける渡辺一貫。
この2人の結託が、当ドラマの奇跡を産んだと言っても過言ではない。
まず、原作ではお馴染みの超能力を可視化するという“スタンド”という概念をどう表現するのか? 映画版のようにCG化するのか?
“スタンド”の説明を丁寧にしたとしても、原作未読の人には物語に入り込みづらいのではなかろうか?
そんな不安がよぎる中、“スタンド”を天から授かった“ギフト”という名に置き換え、可視化はせずに、無理なく表現した。
また、原作の『岸辺露伴は動かない』において、“スタンド使い”は、岸辺露伴のみであるパターンが多いので、原作未読の人にとっては、むしろ“スタンド”という概念をなくした、この改変設定の方が入り込みやすい。なので、大正解の英断なのである。
さらに、原作では“スタンド”は、“スタンド使い”同士でないと見えないというルールがある。ひょっとしたら、ドラマにおける“ギフト”も、我々、視聴者は“スタンド使い”もしくは“ギフト使い”ではないので見えていないだけなのでは?…などという妄想を膨らませてくれるところも、にくい演出である。
また、原作ではモブキャラであった、漫画編集者・泉京香(飯豊まりえ)を岸辺露伴のよきパートナーとして、レギュラーキャラクター・物語の狂言回しに配した点も見事。彼女の存在は、最新原作漫画『ホットサマー・マーサ』において再登場するなど、言わば、ドラマ版からの逆輸入という現象を生んだ。
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