作中の世界観を表現したわらべうた〜音楽の魅力
本作の音楽といえば、冒頭から登場するわらべうた「ふたしちゃろ」についてまず触れなければならないだろう。
このわらべうたは、作中で精神に異常をきたした女性が歌う曲。監督の清水による完全オリジナルだが、歌詞に福岡弁が用いられており、本作の原典である都市伝説をより不気味なものに昇華している。
また、作中の劇伴音楽は、数々の邦画の音楽を手掛けてきたベテラン作曲家・海田庄吾と滝澤俊輔が担当。2人は本作では、ピアノやオーケストラを駆使した楽曲で、本作の恐怖を随所で盛り上げている。
加えて、エンディングテーマに採用されたMs.OOJAの『HIKARI』は、監督の清水と音楽の海田が本作の撮影と並行して制作した曲で、本作の悲劇的で運命的な世界観が見事に表現されている。
とはいえ、本作の場合、聴覚から伝わる魅力はむしろ、随所に見られる効果音にある。特に、明菜をはじめ、溺死した犠牲者が水を吐き出す音や、電話ボックスで溺死した3人の死体がずり落ちる音など、随所に散りばめられた効果音がとにかく気持ち悪いのだ。
こういった点からも、ホラー映画においては何より音が重要であることが思い知らされる。
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