山下智久の魅力はどこにある? 映画「SEE HEAR LOVE」で見せる演技を徹底解説&考察。原作とタイトルの意味は?
text by 柚月裕実
6月9日からPrime Videoで独占配信されている『SEE HEAR LOVE』で主演を務める山下智久。約6年ぶりとなるラブストーリーで、山下は視覚障害を持つ漫画家・泉本真治を演じる。今回は本作の見どころ、そして俳優として国内外の様々な作品で活躍する山下の代表作と軌跡に触れながら、俳優としての魅力に迫ってみたい。(文・柚月裕実)
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【著者プロフィール:柚月裕実】
エンタメ分野の編集/ライター。音楽メディア、エンタメ誌等で執筆中。コラムやレビュー、インタビュー取材をメインにライターと編集を行ったり来たり。SMAPをきっかけにアイドルを応援すること四半世紀超。コンサートをはじめ舞台、ドラマ、映画、バラエティ、ラジオ、YouTube…365日ウォッチしています。
6年ぶりのラブストーリーで演じるのは
視覚を失った漫画家
本作で監督を務めるのは、『私の頭の中の消しゴム』を手がけたイ・ジェハン。原作は漫画家・NASTY CATによるウェブ漫画「見えなくても聞こえなくても愛してる」である。
主演の山下が演じるのは視覚障害を持つ漫画家・泉本真治。身体に予兆はあったものの、突如、病状が悪化。視覚を失ってしまう。連載が続くかどうかの瀬戸際にいた漫画家が、映画化という大きなチャンスを手にしたのも束の間、容体が急変。
漫画家という職業には決して欠かせない視覚が奪われたことで、漫画家人生に暗い影を落とし、真治も絶望の淵に突き落とされる。
一方、ヒロインを務める新木優子が演じるのは、生まれつき耳が聞こえない女性・相田響。彼女は真治の漫画を楽しみにしている読者の一人だ。SNSを駆使して作品アカウントにメッセージを送るほど。視覚を失った真治と聴覚障害を持つ響が、体当たりするように運命的な出会いを果たし、2人の物語が始まる。
タイトルを直訳すると「見る、聞く、愛」。本作は、見ることができなくなった男が、聞くことのままならない女と出会い、愛を知る。そんな筋書きとなっている。