となりのトトロ【ネタバレあり】あらすじ
2匹の不思議な生き物を夢中で追いかけるメイは、大きな木の根元の穴に転がり落ちてしまい、ぽっかりと開いた大きな空間に出る。そこには2匹の毛むくじゃらの生き物より更に大きい生き物が寝ていた。メイはその大きな生き物に名前を尋ねると、大きなあくびが「トトロ」と言ったように聞こえる。そのうちメイは、いつの間にかトトロのお腹の上で一緒に眠ってしまうのであった。
一方、庭で遊んでいたはずのメイがいないことに気づいた父とサツキは、行方を探していた。ようやく森の中で眠っているメイを見つけたサツキは、メイを起こすが、「トトロは?」と寝ぼけている様子。
父とサツキにも見せようとトトロを探すメイだったが、その姿を見つけることはできない。父はそんなメイに「トトロはこの森の主で、いつでも会えるわけではない」と優しく諭す。その後、3人は塚森へ行き「これからもよろしくお願いします」と引越しのあいさつをした。その夜、サツキは母宛の手紙にトトロのことを書き、自分も会ってみたいと思っていることを添えた。
季節は梅雨に入った。その日、父は職場である大学へ行っており、不在。サツキが午後の授業を受けている頃、隣のおばあちゃんに預けられたはずのメイが、学校に来てしまう。さみしいとぐずるメイ。サツキは、先生の許しを得て教室で一緒に過ごした。
その日の放課後、帰り道で大雨に見舞われた2人はお地蔵様の祠で雨宿りをしていた。そこへ通りかかったカンタは、2人に傘を差し出す。サツキは、カンタが濡れるからいいと遠慮するも、傘を置いて走って行ってしまった。家に帰ったカンタは、母親に「傘はどうした」と聞かれ、忘れたフリをするとゲンコツで怒られていた。その内、借りた傘を返しにサツキとメイによって疑いが晴れる。
その足で、傘を持たずに出かけてしまった父を迎えに行くため、バス停に向かうサツキとメイだったが、いくら待っても父は帰ってこない。待ちくたびれて寝てしまったメイをおんぶしてサツキが待っていると、隣に何かがやってきた気配を感じる。見上げると、トトロだった。
雨でずぶ濡れのトトロを見かねたサツキが、父の傘をトトロに渡すと、やがて、バスの形をした猫・ネコバスがやってくる。トトロは、傘のお礼に笹の葉に包まれた木の実を渡すと、ネコバスに乗って行ってしまった。
その後、ようやく父を乗せたバスが来ると、サツキはトトロに会った話を大喜びで父に報告した。トトロにもらった木の実は庭へ植えたものの、一向に芽を出す気配がない。メイは毎日様子を見に行っては「まだ出ない。まだ出ない。」と言っていた。
そんなある日の夜、2人が夜中に目を覚ますと、トトロ、中トトロ、小トトロが木の実を植えた場所を歩き回っているのを発見する。庭に飛び出した2人は、トトロたちと一緒に芽が出るように祈ると、たちまち芽が出始め、それがあっという間に大木になってしまった。
トトロは、宙に浮く不思議なコマを取り出すと、サツキとメイを乗せて大空を飛んだ。大きく育った大木の枝に座ると、トトロたちとサツキとメイはオカリナを吹き、その不器用な音色を、父は書斎で聞いていたのであった。翌朝、2人が目覚めると、大木は消えてしまっていたが、植えた木の実から小さな芽が出ていた。
夏休みに入り、2人はおばあちゃんの畑で野菜を収穫していた。おばあちゃんととれたての野菜を食べていると、カンタが「レンラクコウ」と書かれた病院からの電報を持って走ってきた。母に何か起きたのではと慌てたサツキは、父に電話をかけると、やがて母が体調を崩してしまったために退院が伸びてしまったことを知る。そのことをメイに伝えると、メイが駄々をこね、2人は大げんかしてしまう。
家に帰った後も落ち込む2人だったが、サツキは、手伝いに来てくれたおばあちゃんに話しているうちに、こらえきれずに泣いてしまう。その様子を見たメイは、日が暮れかけているのもかまわず、おばあちゃんの畑で採れたトウモロコシを持って、病院へ向かった。そのうち、行方が分からなくなってしまったメイを、村の人が総出で探し回り、ため池でメイの物と思われるサンダルが見つかるも、メイは一向に見つからないままだった。
サツキは、藁にもすがる思いでトトロのところへ助けを求めに行く。トトロの元へたどり着いたサツキは、泣きじゃくり、メイの行方が分からないと訴える。その願いを聞き入れたトトロは、サツキを連れて、クスノキのてっぺんに登り、ネコバスを呼び寄せてくれた。
サツキがネコバスに乗り込むと、あっという間にメイを見つけることができた。メイは1人で病院に行こうとして、途中で道に迷って途方に暮れていたのだ。ネコバスは、2人を乗せて病院へ向かう。
病院では、心配をよそに案外元気そうな母の姿があった。様子を見に来ていた父と話していた母は、窓の外にサツキとメイの気配を感じると、窓辺にメイの持っていたトウモロコシが置かれているのを見つける。その葉には「おかあさんへ」と文字が刻まれていた。
母の笑顔を見て安心したサツキとメイは、ネコバスに乗ってうちへ帰ると、家の近くでカンタとおばあちゃんと再会する。おばあちゃんは、メイの無事を確認すると、泣いて喜び、4人で仲良く家路を歩いた。