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ジャニーズでも異例のエリートコースを歩む
憑依型の芝居に目が離せない

女優の伊藤歩
女優の伊藤歩Getty Images

西畑の役者としての快進撃は止まらない。2016年放送『あさが来た』(同局)にも出演し、波瑠が演じる主人公・あさの姉・はつ(宮崎あおい)の次男・養之助役を演じた。

NHKの朝ドラで2期も出演を果たすのはジャニーズでも異例であり、10代の頃から俳優としてのエリートコースとも呼べるキャリアを積んできた。

映画作品へは、関西ジャニーズJr.出演作品に続き、2016年公開のKAT-TUN・亀梨和也の主演映画『PとJK』、2017年には嵐・二宮和也主演の映画『ラストレシピ ~麒麟の舌の記憶~』と続く。

そして2022年には伊藤英明主演映画『KAPPEI カッペイ』では、ごく普通の大学生・入間啓太役を好演。筋肉隆々で個性的なキャラクターに囲まれるが、埋もれることなく存在感を放っていた。

それは、Jr.時代からセンターを務めるほどの求心力を持つからこそ。引き算の芝居によって、ごく普通の大学生の役を説得力豊かに演じてみせた。

いま改めて朝ドラ出演時の姿を見ると、10代の若きアイドルながら俳優としての覚悟、そして重岡大毅(ジャニーズWEST)とのコラボ動画「重岡大毅の禁じられた映画ショー」でも語られたように、関西ジャニーズJr.らしいハングリー精神を感じる。

CDデビュー以降は、バラエティ番組への出演も増えた。前に出すぎず、周囲との調和を優先させているような印象を受けなくもないが、ステージやカメラの前に立つとスイッチが入り、“憑依”というほどの芝居をしてみせる。

様々な経験を積み、満を持して主演としてスクリーンに帰ってきた。この機会に西畑が誘う物語に身を委ねながら堪能して欲しい作品だ。

(文・柚月裕実)

【作品情報】

■キャスト:西畑大吾、生駒里奈、平岡祐太、水石亜飛夢、川添野愛、大場泰正、祷キララ、吉田妙子、大谷凜香、笹野高史、當真あみ、なだぎ武、伊藤歩、山本美月
■監督・編集:清水崇『犬鳴村』
■脚本:いながききよたか 清水崇
■配給:東映
■公式サイト:https://kikaijima-movie2023.jp/

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