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映画の神に導かれたような傑作。伊藤沙莉×竹野内豊共演映画『探偵マリコの生涯で一番悲惨な日』は面白い?忖度なしガチレビュー

text by 編集部

映画『探偵マリコの生涯で一番悲惨な日』が公開中だ。内田英治監督と片山慎三監督がタッグを組み、6つのストーリーをそれぞれが監督して繋げたオムニバス形式で構成される。伊藤沙莉扮する探偵・マリコが歌舞伎町を舞台に奔走する本作の見どころと“新宿映画”としての魅力に迫る。(文・野原まりこ)【あらすじ キャスト 解説 考察 評価】

内田英治監督×片山慎三監督タッグが生み出した“観る歌舞伎町”

©2023「探偵マリコの生涯で一番悲惨な日」製作委員会
©2023探偵マリコの生涯で一番悲惨な日製作委員会

日本アカデミー賞最優秀作品賞を受賞した映画『ミッドナイトスワン』の内田英治監督と、映画『さがす』の片山慎三監督がタッグを組み、異色の探偵映画が誕生した。

新宿・歌舞伎町にひっそりと佇むバー「カールモール」で、ママとして働くかたわら探偵業も営むマリコ(伊藤沙莉)と、マリコを取り巻く人々のストーリーを6つに分けたオムニバス形式で構成される本作。

ジャパニーズ・カルチャーをふんだんに盛り込み、遊び心溢れるCG表現と個性豊かな登場人物たち、舞台である新宿という街の魔宮的な魅力を描き込むことによって、観る者を映画の世界に引きずり込む。

本作が生まれた経緯は、内田英治監督が「伊藤沙莉主演で、数人の監督によるオムニバス映画を撮りたい」と考えていたことから始まったという。

だが、その後は伊藤も内田監督もお互いに多忙を極めてしまったことで、製作はなかなか進まなかったが、2021年に内田監督と伊藤のスケジュールが空き、製作するに至った。

海外映画祭への出品を目指して創り上げられた本作は、外国人から見た独特な日本文化に焦点を当て、ヤクザ、ホスト、マジックミラー号など、日本特有のアンダーグラウンドカルチャーを豊富に取り込み、“東洋の魔窟”と言われる、新宿・歌舞伎町を具現化したような内容に仕上がっている。

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