「自分を救うために演じた」奥田庸介監督最新作『青春墓場』主演・田中惇之& 笠原崇志、 独占ロングインタビュー
『東京プレイボーイクラブ』や『クズとブスとゲス』の奥田庸介監督6年ぶりの新作で、東京フィルメックス・コンペティションに選出された映画『青春墓場』が7月8日より公開される。本作で前編と後編でそれぞれ主演を務めた俳優の笠原崇志さんと田中惇之さんにロングインタビューを敢行。撮影秘話や監督のエピソードなど、じっくりお話を伺った。(取材・文:福田桃奈)
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田中惇之(たなか・あつゆき)
広島県出身、パフォーミングアーティスト。2020年より能楽師狂言方大藏流 大藏基誠に師事、狂言方として活動を始める。
笠原崇志(かさはら・たかし)
1994年8月17日生まれ。宮城県出身。人生を変える為に2015年第28回ジュノン・スーパーボーイ・コンテストに挑戦し審査員特別賞を受賞する。主な出演作に『恋するふたり』(稲葉雄介監督)、『泣くな赤鬼』(兼重淳監督)、『よく見れば星』(森美春監督)、舞台「昼下がりの思春期たちは漂う狼のようだ」(演出:蓬莱竜太)など。
「クランクインの2週間前に決まった」
急遽変更になった配役
―――映画『青春墓場』とても面白かったです。お2人の存在感が映画の支えになっていると感じました。脚本を読んだ時の第一印象はどうでしたか?
田中「どうだった?」
笠原「僕は渡された瞬間から早く読みたくて、渋谷の街を歩きながら読んだんですけど、『めちゃくちゃく面白い。これは観たことない映画になりそうだな』と衝撃を受けて…。文字だけでゾクゾクしました」
田中「どのタイミングで台本もらったか覚えてなくない? たしか笠原は最初、違う役を演じる予定だったんだよね?」
笠原「そうです」
―――そうだったんですね! どんな役だったんですか?
笠原「最初は高校生をいじめる3人のうちの1人だったんです」
田中「撮影までに結構リハーサルを重ねたのですが、その時に笠原がたまたま来たんだよね」
笠原「そうです。僕は違う役でリハーサルに臨んでいたんですけど、監督が『お前来るか?』と別のシーンのリハーサルにも参加することになって」
田中「たまたま笠原が来ていた時が、当初高校生役をやるはずだった役者が病気になり、降板せざるを得ないというタイミングで。監督から『お前やるか?』と言われ『やります』という感じだったよね。俺、その現場に居たから」
笠原「監督に『俺、自分の役やるの恥ずかしいから代わりにやってくれ』と言われて、スキンヘッドの男(監督)を演じていたりしたんですよ。相手役は戸惑っていましたけど(笑)。高校生役を演じることが正式に決まったのは、クランクインに入る2週間くらい前でした」
―――それまで別の役の台詞を覚えていたわけですよね。
笠原「そうです。かっこよく映ってやろうと思って金髪でしたし」
田中「今日もカッコいいよ(笑)」
―――そこから黒髪にして挑んだんですね。
田中「黒髪でもカッコよかったよ(笑)」
笠原「ありがとうございます」