ホーム » 投稿 » 日本映画 » 劇場公開作品 » 「仕上がりを観て満足した」映画『パラフィリア・サークル』俳優・玉城裕規独占インタビュー。2.5次元ステージから銀幕へ » Page 3

「あえてシーンの意味を把握せずに臨んだ」
多様な解釈ができるラストシーンについて

撮影:舛元清香
撮影舛元清香

―――ところで、先ほど、公開前トークイベントを拝見いたしました。『もし、この映画に出てくるサイコパスのような人と街中で遭遇したら?』というお題に、最高の演技で返していましたね。

「アハハ! トーク中でも話したのですが、あれは、自分が実際に街中で見た、歌舞伎の演目である『外郎売(ういろううり)』の「せっしゃおやかた拙者親方ともう申すは、おたちあい御立会のうち中に、ごぞん御存じのおかた方もござりましょうが…」と、長台詞を延々と謡っているおじさんの真似をしただけです。

サイコパスに遭遇したら?という質問に対する応答にはなっていないので、忘れてください。他に何も思い浮ばなかったんです(笑)」

―――話を戻しますね(笑)。ご自身で演じていて、印象的なシーンはありますか?

「精神病棟にて、それまで登場したキャラクターが出迎えてくれる奇妙なラストシーンですかね」

―――どこか爽やかさを感じるシーンでした。

「ほんと、そうなんですよ! 精神病棟にいる玉川を始めとした全ての人たちが結局、何だったのか? ハッピーエンド的にも捉えられますし。この場面は台本を一回読んだだけで、シーンの意味をはっきり把握しないまま挑んだんです。でも、やはりそんなフワッとした感じがよかったと今となっては思いますし、仕上がりを観た際に、自分自身でも腑に落ちたので、満足しています。

個人的には、夢野久作の小説『ドグラ・マグラ』のイメージがよぎったシーンでもあります。僕もいつかこういった脚本を自分で書いてみたいという願望あるのですが、今のところ、その頭脳はありません(笑)。脚本の光伸春さんの手腕にただただ感服する次第です」

(文・ZAKKY)

【関連記事】
「ちょっとだけ役者として成長したかな」令和のグラビア女王・沢口愛華、主演映画『札束と温泉』について語る。独占インタビュー
「自分を救うために演じた」奥田庸介監督最新作『青春墓場』主演・田中惇之& 笠原崇志、 独占ロングインタビュー
「“自分は死にません”って顔している人、多くないですか? 」暴力の痛さを描く傑作『青春墓場』奥田庸介監督独占インタビュー

1 2 3
error: Content is protected !!