確かな演技力で爪痕を残し続ける
出演作によってガラッと変わる顔つきに注目
ここからは、高橋文哉の俳優としての遍歴をたどりつつ、映画の魅力に迫っていこう。
高橋は、2019年放送『仮面ライダーゼロワン』(テレビ朝日系)で主演・飛電或人役でデビュー以降、ドラマ『先生を消す方程式。』から立て続けに話題作に出演。
2021年放送のドラマ『うきわ -友達以上、不倫未満-』(テレビ東京系)では、クリーニング店のアルバイト役で出演し、“いまどき”の若者感がいいエッセンスとなった。
一転、同年放送のサスペンスドラマ『最愛』(TBS)では、主演の吉高由里子演じる梨央の弟・朝宮優役を熱演。物語を動かす役どころを任され、重たいストーリーを吉高、松下洸平と同じように背負っていた。
『最愛』で高橋は役者としてステップアップを遂げる。胸の奥底に閉じ込めた苦しみやら悲しみの一切合切と、姉に会えなかった長い時間を想像させる芝居で魅了。寂しそうな背中や、「姉ちゃん」と呼ぶときの声には複雑な思いが込められており、胸が痛くなった。
若さや青さがあるのに浮かない芝居で、キャリアを積んだ俳優陣に馴染んでいたのが印象に残っている。
また、2022年には『君の花になる』(TBS系)で、劇中に登場するボーイズグループ「8LOOM」のセンターでリーダー・佐神弾役でさらなる人気を獲得。実際にライブが行われるなど、ドラマから飛び出す活躍をみせた。
2023年は、フジ月9『女神の教室〜リーガル青春白書〜』でロースクールに通う中心人物として出演したほか、劇場アニメ『ブラッククローバー 魔法帝の剣』では初の声優に挑戦。
そして主演映画『交換ウソ日記』とスクリーンでの活躍も目覚ましい。
歴史ある仮面ライダーシリーズから始まり、前述のアルバイト店員からスターまで役の幅が広いのも高橋の特徴であり、同時に実力を感じる部分だ。
劇中を飛び出し期間限定で活動を行った8LOOMのメンバーとしても脚光を浴びるなど、“Z世代”を代表する俳優として名を轟かせる。
ヘアスタイルや衣装の影響はあるものの、出演作品によって顔つきや雰囲気ががらりと変わるのも特徴だ。