若き日のキリコを演じたのは柴咲コウ
強かな部分と優しい部分を繊細に表現
眞人が入り込んだ「あの世」もしくは「地獄」を想起させる「異世界」で会う初めての人間・女漁師のキリコ役。その声を演じたのは、1981年生まれの女優・柴咲コウだ。
彼女が演じる役は、眞人と共に異世界に巻き込まれ、人形の姿となった使用人の老婆の若いころの姿でもある。この配役も、エンドロールを観た際に、「若いころのキリコは柴咲コウに違いない」と頷けたのだが、老婆の姿の声を演じた声優は特定できなかった。今後明かされるだろう情報を待ちたい。
声優としての柴咲といえば、『名探偵コナン 絶海の探偵』(2013)における 藤井七海役、2021年公開のアニメ映画『神在月のこども』の主人公の母親役で存在感をみせるなど、実績は十分だが、ジブリ作品への出演は初めて。
ここにきて、芸歴25年を誇る柴咲を抜擢する宮崎駿センスは、やはり斜め上をいっていると言うほかない。柴咲は、若き日のキリコの強かな部分と優しい部分を、繊細な演技で表現し、宮崎の期待に見事に応えてみせた。