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アオサギを演じたのは菅田将暉
群を抜く表現力で俳優として次のステージへ

菅田将暉
菅田将暉Getty Images

物語の導き手である、人間の言葉を話せる鳥「アオサギ」役に扮したのは、現代を代表するカメレオン俳優として名高い菅田将暉である。菅田が声を演じるアオサギは、ある日突然眞人の家の窓辺に現われ「眞人、たすけてー!」と、叫ぶ。いかにも、動物が言語を発していると思わせる、歪な声がなんともお見事。

アオサギという役は、物語の水先案内人であると同時に、隙あらば主人公を裏切ろうとする油断ならないキャラクターであり、状況に応じて態度を二転三転させるサマはピエロを思わせる。テレビドラマ『MIU404』(2020)でエキセントリックな悪役を演じ、見る者を驚かせた菅田は、今回も鼻持ちならないキャラに見事、血を通わせてみせた。

アニメ『打ち上げ花火、下から見るか? 横から見るか?』(2017) にて、 島田典道の声を好演したことでも知られる菅田であるが、もしかしたら宮崎はその熱演に琴線を揺さぶられ、キャスティングに動いたのだろうか。想像の域を出ないところではあるが、キャスティング理由に思いを巡らせるだけでも、心ときめくものがある。

声色だけで変幻自在なアオサギというキャラクターを見事に演じたことによって、菅田もまた、木村拓哉とはまた違うベクトルで、役者として「次のステージ」へと進んだのではないだろうか。

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