池松壮亮の細かい芝居をテレビサイズで味わう
最も印象が変わったのが、池松壮亮だ。スクリーンで観たときは、朴訥としたセリフ回しと、常に体が小刻みに震えているので「具合が悪そうだな」としか感じなかったが、これが静かな怒りや絶望感などを表現しているということが伝わってくる。
それに本作は変身後も役者がマスクを被って演技しているというのが特徴なのだが、これもテレビサイズで観ると、スタントマンではなく役者本人が演じているということが不思議とよく伝わる。
ただこれは、NHKで放送された『ドキュメント「シン・仮面ライダー」~ヒーローアクション挑戦の舞台裏~』を観たことによるバイアスがかかっていたことは否めない。このドキュメンタリーで切り取られた、暗中模索で重苦しい現場の雰囲気は、恐ろしくも興味深かった。