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88歳『魔女の宅急便』の作者が贈る、毎日を輝かせる魔法。 映画『カラフルな魔女~角野栄子の物語が生まれる暮らし~』

text by 編集部

「魔女の宅急便」の作者として知られる、作家・角野栄子に、4年間密着したドキュメンタリー映画『カラフルな魔女~角野栄子の物語が生まれる暮らし~』から本ビジュアルが解禁! 2024年1月26日(金) に公開することが決定! 88歳のキュートな“魔女”が語る、夢いっぱいな物語を生み出す秘訣とはー。

自宅の壁はいちご色。人生の先輩が、素敵に生きる物語

©︎KADOKAWA
©️KADOKAWA

映画『カラフルな魔女~角野栄子の物語が生まれる暮らし~』は、「魔女の宅急便」の作者として知られる、児童文学作家・角野栄子 の日常に4年にわたって密着したドキュメンタリー映画である。鎌倉の自宅では自分で選んだ「いちご色」の壁や本棚に囲まれ、カラフルなファッションと個性的な眼鏡がトレードマークとなっている。

一方、5歳で母を亡くし戦争を経験。結婚後24歳でブラジルに渡り、34歳で作家デビューするなど、波乱万丈な人生を歩みながら、持ち前の冒険心と好奇心で幾多の苦難を乗り越えてきた。“想像力こそ、人間が持つ一番の魔法”と語る角野栄子とはどういう人物なのか? 88歳のキュートな“魔女”が、老いや衰えさえも逆手にとって今もなお、夢いっぱいな物語を生み出す秘訣に迫る作品となった。

自児童文学の「小さなノーベル賞」といわれる国際アンデルセン賞・作家賞受賞

代表作『魔女の宅急便』では、野間児童文芸賞、小学館文学賞等受賞、さらに映画化、舞台化され、世界的ロングセラーとなる。2000年には紫綬褒章、2014年に旭日小綬章を受章。2018年に児童文学の「小さなノーベル賞」といわれる国際アンデルセン賞・作家賞を日本人3人目として受賞するなど、世界的作家でもある。

語りは宮﨑あおい。音楽は世界的な作曲家・藤倉大。

映画は、2020年から2022年にかけて、NHKのEテレにて全10回にわたり放送された「カラフルな魔女〜角野栄子の物語が生まれる暮らし」をもとに、新たに撮影し、再編集した内容となる。放送後は番組を見たファンからの熱い感想が数多寄せられ、この度、映画化が実現することとなった。

語りは、レギュラー番組の温かな声で角野をアシストしてきた女優の宮﨑あおいが引き続き担当。監督は、NHKで様々な人気番組をプロデュースしてきた宮川麻里奈。レギュラー番組でも構成・演出を担当し、角野との信頼関係を築きあげてきた宮川は、今回が映画初監督となった。

音楽は、ロンドンを拠点に活躍する作曲家の藤倉大。15歳で単身渡英し、セロツキ国際作曲コンクール優勝、2017年ベネチアビエンナーレ銀獅子賞、尾高賞など数々の音楽賞を受賞。世界中のオーケストラや演奏家から新作依頼が殺到し、いま「世界でもっとも演奏機会が多い」と言われる気鋭の天才作曲家が、映画音楽を全編にわたり初めて手掛けた。

2023年11月3日(金)には「魔法の文学館」(江戸川区角野栄子児童文学館)がオープン!

隈研吾設計による「魔法の文学館」(江戸川区角野栄子児童文学館)が、2023年11月3日(金・祝)文化の日に開館。江戸川区にゆかりのある角野栄子の世界観をイメージし、自ら選んだ約1万冊の児童書で、子供たちが豊かな想像力を育むことができる場を提供する。映画の公開、文学館の開館ー。と88歳にしてなお、角野栄子の世界はどこまでも広がっていく。

昨今、『人生フルーツ』『フジコ・ヘミングの時間』『アイリス・アプフェル! 94歳のニューヨーカー』など、人生の先輩が素敵に生きる物語が熱烈に支持されている。それぞれに共通するのは「自分の好きなものが何かをわかっていて、自由な発想で、自分らしく」生きていることだ。角野栄子が教えてくれる、誰もが使える“人生を変える魔法”とは、“想像する力”。

まずは自分の好きなものが、何か分かる人間になること。それが、幸せに生きるための一つの手がかりとなる。楽しいも、退屈も、想像力次第だ。そんな、自らに魔法をかけて、未来を切り開いてきた軌跡を巡ることができる映画となっている。

この度、解禁された本ビジュアルは、角野さんの自宅のいちご色の壁の前で、イラストの執筆中に笑顔を向ける角野さんを切り取った一枚となっている。角野さんのお気に入りの眼鏡やアクセサリーといった、小物が散りばめられ、ちょっとしたいたずら描きの時間から生まれた、手描きのイラストが配置されている、自由で見た目にも楽しいカラフルなデザインとなった。また、角野栄子さんを始めとする、語り・宮崎あおいさん、監督・宮川麻里奈さんより、コメントも到着した。

出演:角野栄子、コメント

子どもの頃、戦争があった。大変窮屈な時代だったから、そこから解放された時、この自由な気分はもう絶対放したくない! と思った。戦後も食糧は非常に乏しく、何もかもが足りなくて、我慢が続いた。でも、縛られていた糸がほどけるように、まわりの空気は変わっていった。

そして、本当にささやかなことから、自分の好きなものを自分で選ぶ自由が手に入るようになった。例えば、手ぬぐいの模様、下駄の鼻緒など……。好みのものを初めて選ぶことができたときの嬉しさは、今でも忘れられない。それが、「人と違ってもいいから、自分の『好き』を大切にする」という私のスタイルに繋がっていった。

そして、世の中に合わせるのではなく、「自分がなりたい大人になろう!」と決意した。時にはわがままに見えたかもしれない。時には孤独だった。でも、悔いはない。自由はかけがえのないものだから。私の暮らしの中で、一番大切にしているのは、気持ちが自由になること。

食べるものも着るものも、シンプルで軽く、気持ちがいいもの。どこか気持ちが引っかかったら、できる限り避けたい。そう思いながら、自由で心地よいものを選び続けていたら、なんと『カラフルな魔女』になってしまったみたい。

【プロフィール】
東京・深川生まれ。大学卒業後、出版社勤務を経て24歳からブラジルに2年滞在。その体験をもとに描いた『ルイジンニョ少年 ブラジルをたずねて』で、1970年作家デビュー。代表作『魔女の宅急便』(福音館書店)はアニメ作品として映画化され、その後舞台化、実写映画化された。野間児童文芸賞、小学館文学賞等、受賞多数。紫綬褒章、旭日小綬章を受章。

2018年に児童文学の「小さなノーベル賞」といわれる国際アンデルセン賞作家賞を、日本人3人目として受賞。2023年11月に「魔法の文学館(江戸川区角野栄子児童文学館)」が開館予定。主な作品に『アッチ・コッチ・ソッチの小さなおばけ』シリーズ、『リンゴちゃん』(ポプラ社)、『ズボン船長さんの話』(福音館書店)、『トンネルの森 1945』最新作に『イコ トラベリング 1948-』(KADOKAWA)などがある。
公式サイト
Instagram

語り:宮﨑あおい、コメント

ナレーションを担当させていただき、角野栄子さんの透明感とチャーミングなお人柄、カラフルなお洋服、楽しい視点にいつも幸せな気持ちになっていました。角野さんの観ている世界をぜひ劇場で覗いてみてください。今まで見ていた景色がちょっと違って見えるかも♪

【プロフィール】
1985年11月30日生まれ、東京都出身。
08年、歴代最年少でNHK大河ドラマ「篤姫」の主演に抜擢。映画『少年メリケンサック』(09)、『ツレがうつになりまして。』『神様のカルテ』(11)、『わが母の記』(12)、『舟を編む』(13)、『怒り』(16)などで数々の映画賞を受賞。『おおかみこどもの雨と雪』(12)、『バケモノの子』(15)、『かがみの孤城』(22)などで声優としても活躍している。近年の作品として、『大名倒産』(23) などがある。23年はNHK連続テレビ小説「らんまん」の語りを担当するほか、Netflixにて映画『クレイジークルーズ』が全世界配信予定。

監督:宮川麻里奈、コメント

20歳になる娘が言うのです。「『魔女の宅急便』がなかったら、私は思春期をうまく通過できなかったかも」と。主人公キキと同じ13歳ごろの、友人関係や自分自身のままならなさに悩む時期、 娘にとって『魔女の宅急便』シリーズは、折に触れて読み返す、いわば精神安定剤のようなものだったそう。

私はそんなことはつゆ知らず(苦笑)、あるインタビュー記事で角野さんのことを知り、「こんなおしゃれで素敵な人なんだ!」「1950年代にブラジルに移住しちゃうなんて、ぶっ飛んでる!」と驚き、「いつかこの人を取材したい」と思っていたのです。コロナ禍の間をぬいながら撮影を続けて4年。角野栄子さんは、とことん「愉快」―愉しく快い―方でした。好奇心旺盛で頭の回転が速く、そして何よりも自由で。角野さんの精神の自由さ、のびやかさには、いまだに圧倒され続けています。

角野さんの、何でもない日常の1コマ1コマを生き生きとさせる「ありかた」、88歳にしてあふれんばかりの好奇心と冒険心は、おのずと、見る人に伝染すると確信しています。角野さんという、地球上見渡しても稀有な「魔女」にスクリーンで出会い、そのハッピーオーラを浴びてください。

【プロフィール】
1970年6月徳島市生まれ。93年NHK番組制作局に入局。金沢局勤務、「爆笑問題のニッポンの教養」「探検バクモン」などを経て、‘13年「SWITCH インタビュー」を立ち上げる。「あさイチ」などを担当した後、現在は「所さん!事件ですよ」「カールさんとティーナさんの古民家村だより」などのプロデューサーを務める。一男一女の母。

【作品情報】

©️KADOKAWA
©️KADOKAWA

語り:宮﨑あおい
監督:宮川麻里奈 音楽:藤倉大
プロデューサー:山田駿平 宣伝プロデューサー:大﨑かれん
編集部協力:岡山智子 ラインプロデューサー:松本智恵
撮影:髙野大樹 編集:荊尾明子 音響効果:河原久美子
監督補:岡澤千恵 制作:NHKエンタープライズ
制作協力:角野栄子オフィス エネット
映像提供:NHK
製作・配給:KADOKAWA CKADOKAWA
【X(旧Twitter)】@majo_movie
【Instagram】@majo_movie

2024月1月26日(金)角川シネマ有楽町ほか全国ロードショー

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