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「主人の現場には映画の神様がいると思う」
女優と監督、二人三脚で歩む映画製作

写真:宮城夏子
写真宮城夏子

―――撮影期間中、お子さんもご一緒だったとのことですが、撮影以外の時間は監督と一緒に過ごす時間も多かったのでしょうか?

「撮影期間中、映画に集中したいということで、主人は別の部屋を取っていたのですが、コロナで中断していた時は一緒にいる時間も多かったです。一緒に長崎観光…と言いながらロケハンに付き合わされていました(笑)。『ママは宇海役やって』みたいな。プロデューサーの方が賢星くん役をやったりして」

―――なんと贅沢なロケハンなのでしょう!

「ここにカメラを据えると『あれが映り込むね』とか言いながらやっていましたね」

―――監督とは脚本に関しての相談などはありましたか?

「無かったですね。元々主人の中で、『こういう作品を作りたい』というものがあって、脚本家の方と企画を練っていることは知っていたのですけど、その時私はキャスティングに入っていなかったので、『私が入る隙間はあるのかな?』なんて思っていました」

―――プロットの段階では存在しない役だったのでしょうか?

「あったのですが、私を想定した役ではなかったんです。ある程度話が出来上がった段階で、宇海のお父さんとお母さんの役を決める時に、『年齢はおいくつくらいの設定ですか?私、空いているんですけど〜』とそれとなく伝えたところ、キャスティングに入れてもらいました」

―――そういった出演経緯があったのですね。テープを聴くシーンは、長回しのワンカット(長い間カメラを回し続ける手法)でしたね。撮影の裏話などあればお聞かせください。

「ワンカットでした。あのロケ場所は、たまたまドライブしていた時に『ここ良いね!』と見つけた場所。でも当日はあまり天気が良くなくて、最初は曇っていたんです。でもシーンの途中で、まるで宇海が天から見守っているかのように光が差してきたんですよ。私、思わず振り返っちゃったんですけど…(笑)」

―――まさに映画の神が微笑んだような…。

「そうなんですよ。主人の現場には映画の神様が居るんじゃないかって思うことは以前にもあって、『こはく』の時も、重要なシーンの撮影で、最初は雷が鳴っていたのに、天気も演出に参加しているかのように、心情を表すような速度で空が移り変わって晴天になった、ということがありました」

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