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「現場の皆が勝也さんを慕っていました」
俳優・小林勝也と過ごした濃厚な時間

写真・武馬怜子
写真武馬怜子

―――林さんは麻美監督からかけられた言葉で印象に残っているものはありますか?

林「やっぱり現場で『最高!』って言っていただく機会ってあまり多くないので、すごく嬉しかったですね。あと、僕、性格的に、褒めていただいても『本当はどう思っているんだろうな』とか、言葉の裏を勘ぐってしまうところがありまして。でも、麻美さんの言葉は、そういう心配が起こらないといいますか、真っすぐに言葉を届けてくださるので、変に疑うことなく、素直に受け入れることができました」

麻美「クランクインして林君のお芝居を最初に撮ったのが、フユと秋が並んで会話をするシーンだったんですけど、『私の頭の中に15年以上住み着いていたフユと秋が目の前にいる!』という感動がありました。

春を演じた中澤もですけど、改めて『役者って凄いな』って思いました。多分、私のそうした感激が演者側にストレートに伝わったのかもしれません」

―――今回林さんは、先ほどから度々お名前が挙がっている秋役の小林勝也さんとの共演シーンが多いですね。撮影現場ではどのような言葉を交わされたのでしょうか?

林「今回、基本的に勝也さんとは あんまりお芝居の話はしなかったのですが、時折、僕が勝也さんに普段役を演じる上で大切にされていることを伺うと、それに優しく答えてくさいました。実は僕と勝也さんは地元が一緒でして。一緒にタバコを吸う時は、よく地元の話をしていました」

麻美「たしか、車の運転を教わっていたよね?」

林「そうですね。劇中では、僕が勝也さんを助手席に乗せて車を運転するシーンがあるのですが、絶対に事故を起こしちゃいけないというプレッシャーが凄くて、本当にガチガチでした。

ある時、とっさに急ブレーキをかけてしまって、勝也さんを驚かせてしまったのですが、そんな時でも『落ち着いて、落ち着いて。こういう時はこうすればいいから』と諭してくださって…」

麻美「『誰でもやるんだ、これは』って優しく声をかけてくださっていたね。勝也さんってそういう方なんですよ。『どん来い』って、後輩に安心感を与えてくださる。

今回、スタッフ・キャストはみんな勝也さんよりも年下だったのですが、みんながフユみたいな感じで、勝也さんを慕っていました」

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