「監督に全信頼を置いた」
永江監督とのコンビネーションについて
―――監督と相談しながら、決めていったのですか?
「はい。ただ、じっくりと話したのは、撮影前に話す機会を2回ぐらいもらい、話しました。そのときは、桜はおとなしいんですけど、可愛さを出すより、可愛くはなり出しすぎないでほしいという、監督からの要望がありました。
その後の撮影中は、声のトーンで、『今のはちょっと可愛すぎたかも。もうちょっとこう、落ち着いた方向で』といった指示などがありました。だから、撮影しながら役を練り込んでいった感覚でした」
―――永江監督とは、よきコンビネーションであったイメージが浮びます。
「本当に、やりやすかったです!先ほどお伝えしたような役に関するディスカッションはもちろんあったのですが、基本、撮影が始まったら、監督のイメージからずれてしまわない限り、自由にやらせてもらえました。
私、ホラー映画の役は初めてだったので、ホラー的な撮り方、こういう表情で撮れば、恐怖感が増して観えるといったところなどは、監督に全信頼を置いて、アドバイスもらったことをこなしていくという感じでした」
―――桜が、物語の重要な場所である旅館の一室に入ります。そこに入る理由が「自分が変わりたくて」といった言葉を放ったのは、少し意外な展開だと思いました。
「ホラー映画って、基本、主人公が何かしらに巻き込まれる側だと思うんです。でも、あのシーンに関しては、もしかしたら怖いことが起きるかもしれないと、わかっていて、桜は自ら行動しています。
私も最初に脚本を読んだ時に、『あ、桜、行くんや!』と思いました(笑)。でも、それは聡のことを思っての行動でもあったので、納得もしました」
―――自分のことを変えたいという気持ちと、聡を守りたいという思いが交差したと。
「そういうことだと思います。桜のターニングポイントとも言えるので、好きなシーンですね」