『東京リベンジャーズ』以上? JO1のアクションが最高…映画『OUT』レビュー。なぜ映画とヤンキーは相性が良いのか?
text by 斎藤香
人気ヤンキー漫画を品川ヒロシが実写映画化。主演の倉悠貴をはじめ、人気アイドルグループJO1の與那城奨、大平祥生、金城碧海が出演し、話題を集めた映画『OUT』。今回は、映画『ドロップ』、『東京リベンジャーズ』などのヤンキー像と比較しながら、忖度なレビューをしていく。(文・斎藤香)【あらすじキャスト 解説 考察 評価】
次世代俳優の宝庫…! 「ヤンキーもの」はどう変わっていった?
累計発行部数650万部突破の人気のヤンキー漫画『OUT』(原作:井口達也/漫画:みずたまこと)を品川ヒロシ監督が実写映画化。闘わずにいられない不良たちの暴走と仲間との友情を描き、品川監督のデビュー作『ドロップ』の後日談を描いた作品だ。
『ドロップ』(2009)で水嶋ヒロが演じた主役の井口達也を演じるのはNHK連続ドラマ小説『おちょやん』(2020〜2021)や今年公開されたホラー映画『禁じられた遊び』など、ドラマや映画で活躍中の倉悠貴。
主人公と友情を深める暴走族の総長を演じるのは2022年から本名で活動を開始した水上恒司。ほか人気グループJO1のメンバーも出演している。
映画とヤンキーは相性がよく、時代を超えて続々制作されている。昭和時代まで遡れば『ビー・バップ・ハイスクール』(1986)。そして平成になり『クローズ』シリーズ(2007〜2014)、『HIGH&LOW』シリーズ、人気ドラマの映画化『ごくせんTHE MOVIE』(2009)。最近では『東京リベンジャーズ』シリーズ(2021〜2023)がケンカ上等のヤンキー映画を継承していると言えるだろう。
またコメディとの相性もよく『今日から俺は!!劇場版』(2020)や今年公開された映画『Gメン』は、ギャグ満載で笑わせながらもケンカのシーンでは、ヤンキーたちが大暴れ。迫力ある絵を見せてくれる。ヤンキーと野球を合体させた『ROOKIES-卒業-』(2009)もヒットした。
ヤンキー映画には喜怒哀楽が表に出やすいキャラクターが多く、アクション、コメディ、ラブというエンタメ要素を思い切り表現できるのが魅力のひとつだ。だから、いつの時代も不良たちは映画界から愛されているのだ。