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「この作品に携われて良かった」映画『ブルーを笑えるその日まで』渡邉心結、角心菜、独占インタビュー

text by 福田桃奈

武田かりん監督が10代の頃に経験した不登校や自殺未遂を元に製作された、12月8日(金)よりアップリンク吉祥寺にて公開の映画『ブルーを笑えるその日まで』。本作で、主人公の安藤絢子(アン)役を演じた渡邉心結さんと、アイナ役を演じた角心菜さんにインタビューを敢行。本作にかける想いから仲良しエピソードまで、たっぷりとお話を伺った。(取材・文:福田桃奈)

「喋り方や声のトーン、目線のことまで話し合った」
監督と3人で作り上げた撮影までの1年間

写真:武馬玲子 左から角心菜、渡邉心結
左から角心菜渡邉心結 写真武馬玲子

【映画『ブルーを笑えるその日まで』あらすじ】

学校に馴染むことができず言葉を発することが苦手になってしまった主人公アンと、飛び降り自殺をした生徒の幽霊が出没すると噂される学校の屋上で出会うアイナとの夏休みの物語。アンはアイナの正体が幽霊なのかと疑念を持ちつつも、お互いかけがえのない存在になっていくが…。

ーー中学生という多感な時期の少女たちをとても繊細に表現されていると思いました。脚本は準備稿から読んでいたそうですが、どんな感想を抱きましたか?

角心菜(以下、角)「オーディションの時はまだ準備稿のもので、そこから決定稿までかなり変わっていったんですけど、“学校に馴染めない人を救いたい”っていうのは一貫していました。凄く大好きな作品だったので、『携わりたい』とオーディションの時から思っていました」

渡邉心結(以下、渡邉)「撮影まで1年間の期間があったんですけど、台本が送られてくるたびに、大事なところが残されていく感じがしたので、一言一言を大事に演じたいなと思いました」

ーー初稿と決定稿ではお二人のキャラクターは変化しましたか?

角「初稿ではアイナはもっと幽霊っぽくて、存在しない物として分かりやすく描かれていたんですけど、監督と話し合っていく中で、アイナが消えてしまったら、アンとアイナが過ごした夏休みも嘘になっちゃうんじゃないかってことで変わりました」

ーー監督とかなりディスカッションされたと思うのですが、どんなお話をされましたか?

渡邉「自分とは真逆の性格なので、凄く話し合いました。まずは自分で読んで考えて、それから読み合わせをして、その時に喋り方や声のトーン、スピード、立ち方や歩き方、目線のことまで話し合いました」

角「アイナはよく笑う性格なんですけど、ちゃんと暗い過去があるっていうことを大切にしたいねと話していたので、明るい中に暗い部分があるというところは意識して演じました。最初はもっと明るく演じて欲しいと言われてたんですけど、私が活発なアイナを演じるよりも、優しいアイナを演じている時の方がアイナらしいと感じてくれたので、監督が私に合わせてくださいました。セリフも違和感があればその場で言いやすいように変えてくださったり」

渡邉「監督から『アンっぽいのはどっち?』と聞いてくださったり、『アンはこうだと思うからこうしたい』と提案していただいたりしました。」

ーー監督と3人で話し合って作り上げていったんですね。

角「1年間準備期間があったので、そこで作り上げていきました」

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