原作との違いは? 大人にも刺さる素晴らしい名言とは…? 映画『窓ぎわのトットちゃん』徹底考察&評価。忖度なしガチレビュー
text by あさかしき
黒柳徹子の幼少期を自伝的に描き、1981年に出版されて以来、累計発行部数2500万部を超える児童文学の名作『窓ぎわのトットちゃん』がアニメ映画化された。今回は、役所広司、小栗旬、杏ら豪華声優陣が勢ぞろいした本作のレビューをお届けする。(文・あさかしき)【あらすじ キャスト 解説 考察 評価 レビュー】
40年前のベストセラーが映像化
黒柳徹子の幼少期の物語
『窓ぎわのトットちゃん』(1981年発行)は、女優であり、ユニセフ親善大使でもある黒柳徹子が自身の幼少期を自伝的に描いたノンフィクション作品である。その累計発行部数は国内で800万、全世界で2500万部を超える世界的なベストセラーだ。
この『窓ぎわのトットちゃん』は、発売当時、大反響を呼び、「トットちゃんブーム」を巻き起こした。この本のヒットにより、著者の黒柳徹子は印税すべてを寄付し、ろうあ者・身体障害者を支援する「社会福祉法人トット基金」を設立している。
黒柳徹子は、自身の冠番組である『徹子の部屋』(テレビ朝日系)を筆頭に、その名を知らない人はほぼいないだろう著名人だが、日本でテレビが放送された初日から出演するなど、日本テレビ界における生きる伝説ともいうべき存在である。
このように偉大な経歴を持つ彼女だが、彼女は幼少期、入学からたった1週間で小学校を退学になった過去がある。
『窓ぎわのトットちゃん』は、トットちゃん(幼少期の黒柳自身が、“てつこ”を発音できずにトットちゃんと自称していた)が小学校を追い出されたのちに転入した“トモエ学園”の校長である小林宗作との出会いと、学園での生活を描いた物語であり、本作は、この原作を初のアニメーション映像化した作品となる。