あらゆる個性を受け入れる
トモエ学園でのかけがえのない時間
主人公・トットちゃん(大野りりあな)は、おしゃべりが大好きな女の子であり、授業中に、突然、窓辺に立って通りがかりのチンドン屋を呼ぶなど、とにかく落ち着きがなくじっとしていられない質であり、それが原因で小学校を追い出されてしまう。
そこで、トットちゃんの母(杏)は娘の入学を受け入れてもらえるのか内心不安を抱えながら、自由が丘にある私立トモエ学園にトットちゃんを連れていく。
母の不安をよそに、トモエ学園の校長である小林先生(役所広司)は出会うなり「お母様はもう帰ってもらって大丈夫だ」と伝え、トットちゃんにはなんでも好きなことを話していいと伝える。
すると、トットちゃんは、のべつ幕無しに思いつくまましゃべり続ける。4時間もの間、全く嫌な顔をせずに話を聞き、「きみは、本当は、良い子なんだよ」と言ってくれた小林先生を、トットちゃんは、初日から大好きになる。
トモエ学園は特殊な学校であり、廃車になった電車を教室として使用していたり、一日に勉強する単元を自分の好きな順番でやって良いなど、特殊な教育方針を取っていた。また、リトミックという音楽教育を最初に日本に取り入れた学校だという。生徒数は全校生徒で約50名と少なく、体に何らかの障害を持つ生徒も受け入れていた。
運動会や、学校でのお泊り、図書室ができたことなど、トモエ学園での日々は、トットちゃんにとってかけがえのないものとなるが、戦争の足音が近づいて来る…。