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映画『もののけ姫』(1997)を彷彿とさせるアザの真相

山崎貴監督
山崎貴監督Getty Images

宮崎駿監督の映画『もののけ姫』(1997)の呪いを彷彿とさせる典子の首の黒いアザ。それは、”G細胞(ゴジラ細胞)”、又は”被爆”という典子とゴジラの間に残る繋がりを示唆しているとも考えられる。つまるところ、このアザは主人公敷島浩一とゴジラの戦いが終わっていないことも表している。

映画『ゴジラ-1.0』がシリーズ中でも異彩を放つのは、スペクタクルとヒューマンドラマのバランスを上手く取っている点にある。怪獣がもたらす混沌を描くだけでなく、混乱に見舞われる人間の葛藤を味わい深いタッチで活写しているのだ。典子は物語に深みを与える最も重要なキャラクターにほかならない。

山崎監督は、あえて典子の運命を曖昧にしたまま物語を閉じることで、観客に対し、ゴジラがもたらした戦争と破壊の影響が未来にわたって続くことを示唆する。こうしたシリアスな認識が、映画『ゴジラ-1.0』を、同ジャンルの他作品と一線を画す作品にしている。

映画『ゴジラ-1.0』は単なる超大作ではない。ドラマやアクション、伝統的なゴジラ映画の象徴的要素を見事に融合させている。典子を巻き込んだ不穏なエンディングは、本作に隠された陰謀の層を厚くし、今後の物語に数多くの可能性をもたらしている。

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