なぜ「フォージャー家」は愛されるのか? 主題歌がたまらない…映画『SPY×FAMILY』考察&評価。内容も深掘り解説
常に社会現象を起こす『SPY×FAMILY』初の映画『劇場版 SPY×FAMILY CODE: White』が公開中だ。わずか3日間で興行収入約12億と、大成功を収めている。今回は、世間から「フォージャー家」が愛される理由を、作品の魅力と一緒に考察していく。(文・唐梨)<あらすじ 解説 考察 キャスト 評価 レビュー>
この冬一番あったかい…全員が楽しめる極上エンタメ
『少年ジャンプ+』にて2019年3月25日より隔週月曜更新で連載中の遠藤達哉による漫画。
敏腕スパイのロイド、人の心が読める超能力者のアーニャ、優秀な殺し屋ヨル、未来予知能力を持つ大型犬ボンドの3人と1匹が、互いの正体を隠しながら「仮初の家族」として活躍する様を描く。
2022年にアニメ化された際は、社会現象も巻き起こす大ヒットとなり、翌2023年にはミュージカル化もされた。また、最新コミックス12巻までのシリーズ累計発行部数は3,100万部を突破している。
そんな『SPY×FAMILY』初の映画化作品が、『劇場版 SPY×FAMILY CODE: White』だ。ストーリーは、完全オリジナルストーリーということもあり、2023年12月22日に公開されてから、わずか3日で12億の興行収入を叩き出し、動員数は86万6千人と、すでに大ヒットしている。筆者もワクワクしながら観に行ってきた。以下に感想を述べる。
『SPY×FAMILY』の持ち味であるコメディ、アクション、ホームドラマがまんべんなく散りばめられており、とても良かったというのが結論だ。
アーニャの安定の可愛らしさ、ロイドとヨルの手に汗握る戦闘シーン、やたら作画に気合いの入った笑い、じんわり心に染み入る家族の絆…子どもはもちろん大人も楽しめる内容だと公言できる。
完全オリジナルストーリーなので、『SPY×FAMILY』ファンはもちろん、初見の方でも分かりやすく楽しめるよう工夫がなされている。子どもや恋人が観たがっているからと、付き添いで一緒に観るファミリーやカップルにもオススメできる作品だ。
どんなピンチの中でも必ず生還するロイドも、何かと運の良いアーニャも、絶対そんなことありえないと思わずにはいられない身体能力のヨルも、お約束かもしれないけれど、だからこそ安心して映画をめいっぱい満喫できる楽しさがある。それでこそハッピーエンド作品。フォージャー家は無敵でこそフォージャー家だ。
スクリーンを縦横無尽に駆け回る彼らの活躍は、作画の美しさも相まって最高だし、頭を空っぽにして楽しめる、冬の極上エンタメ作品である。