なぜ女性ファンを惹きつける? “不死身の杉元”を徹底解剖…映画『ゴールデンカムイ』主人公・杉元佐一の魅力を考察&解説
text by ジュウ・ショ
1月19日、ついに実写映画『ゴールデンカムイ』が公開される。原作ファンとしては待ちわびに待ちわびまくった大事な日だ。広大な北海道の地を舞台に、アイヌの隠し財産だった金塊を目当てに命懸けの戦いを繰り広げる本作。今回は、公開直前企画として、”不死身の杉元”こと、主人公・杉元佐一についてご紹介する。(文・ジュウ・ショ)
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【著者プロフィール:ジュウ・ショ】
フリーランスとしてサブカル系、アート系Webメディアなどの立ち上げ・運営を経験。コンセプトは「カルチャーを知ると、昨日より作品がおもしろくなる」。美術・文学・アニメ・マンガ・音楽など、堅苦しく書かれがちな話を、深くたのしく伝えていく。→note
”不死身”の異名は伊達じゃない!
主人公・杉元の恐るべき不死身伝説
『ゴールデンカムイ』の主人公・杉元佐一。通称「不死身の杉元」と呼ばれ、自分でも「俺は不死身の杉元だ‼」と己を鼓舞させるために叫ぶこともあるのだが、この男、本当にガチで死なない。ちょっと怖いくらい死なない。
原作マンガ全31巻(集英社)で彼は何回も顔を刺され、腹を撃たれ、爆発に巻き込まれる。にもかかわらず、次の話では傷が完全に治癒する。体液がマキロン(消毒液)なのか、親がプラナリアなのか分からんが、まさに不死身なのである。
特に原作14巻で杉元は狙撃の名手・尾形に頭を撃たれ、脳が欠ける。さすがに読んでいて「あ、これは死んだわ。次の話から別のキャラが主人公っぽくなるのかなぁ」と思った。でも次のシーンで病室で平然とメシを食っていた。さすがに怖い。
作中で「頭を撃たれても生存している実例はある……」という理論武装がされるが、そうだとしてもすごすぎる生命力だ。
それでいて、攻めも強い。もともと陸軍軍人として日露戦争で戦い、武功を上げまくっていた男だ。そのときに培ったのは「自分が死なないために相手を殺す」という思考。だから戦闘シーンでは人が変わったように暴れ狂う。