山田涼介のアップデートが止まらない…劇場で見るべき理由は? 映画『サイレントラブ』徹底考察&評価。忖度なしガチレビュー
山田涼介の主演映画『サイレントラブ』が公開中だ。声を捨てた青年と光を失った音大生の人生が交差する物語。タイトル“サイレント”とある通り、とても静かなラブストーリーだ。今回は前作『バッドランズ』の余韻を残す山田涼介の演技に着目したレビューをお届けする。(文・柚月裕実)【あらすじ キャスト 解説 考察 評価 レビュー】
映画と音楽…内田監督が手がける『サイレントラブ』
本作は2020年9月の公開からロングラン上映が続く『ミッドナイトスワン』を手がけた内田英治が監督、原案、脚本を手がける最新オリジナル作品だ。
そして内田監督の作品を象徴するものの一つに音楽は欠かせない。今作では久石譲が音楽を担当。音楽大学を舞台に、美しいピアノの音色が、時に希望となり時に寂しく情景に溶け込む。
浜辺美波が演じる光を失った音大生・美夏。不慮の事故に遭い、視力を失ってしまう。手術を行ったものの視力の回復はすぐには望めないという。ピアニストを目指していたが、その夢が絶たれてしまうのではと絶望の淵に立たされる。自暴自棄になる美夏を助けたのが山田が演じる蒼。
これまでの人生では交わることのない二人だが、美夏の落としたガムランボールが蒼と美夏を繋ぎ、ひとつの「夢」が芽生え、人生に希望を見出していく。