「冬眠していた恐竜がいてもおかしくはない」映画『恐竜伝説2 劇場版 ダーウィンが来た!』監修:小林快次、単独インタビュー
NHKの人気自然番組『ダーウィンが来た!』。その映画版『恐竜伝説2 劇場版 ダーウィンが来た!』が3月8日より公開される。絶滅した恐竜の中に、生き残りがいたかもしれないという仮説を、研究を元にわかりやすく紐解く。今回は、本作を監修した、恐竜学の第一人者・小林快次氏にたっぷりとお話を伺った。(取材・文:タナカシカ)
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【監修:小林快次(こばやしよしつぐ) プロフィール】
1971年、福井県生まれ。北海道大学総合博物館教授。アメリカ、ワイオミング大学地質学地球物理学科卒業。アメリカ、サザンメソジスト大学地球科学科で博士号取得。専門は古脊椎動物学。著書に『恐竜まみれ発掘現場は今日も命懸け』(新潮社)、『化石ハンター恐竜少年じゃなかった僕はなぜ恐竜学者になったのか?』(PHP 研究所)など。監修に『Newton 大図鑑シリーズ恐竜大図鑑』(日経ナショナル ジオグラフィック)など多数ある。
隕石衝突で恐竜が絶滅した説はもう古い?
―――恐竜が絶滅したのは隕石が衝突したからだと思っていましたが、映画を拝見させていただき、それが浅はかな考えだったと勉強になりました。今回は、恐竜や隕石衝突について小林先生にお聞きできればと思います。
作中、絶望感のある約6600万年前の隕石衝突がありました。このような隕石衝突がもし現在に起きるとしたら、どれくらいの規模で生命がいなくなるのでしょうか。やはり、人間は生き残ることは、難しいでしょうか。
「人間の場合は、核シェルターといった技術も知恵もありますが、仮にその規模の天災が起きるとしたら、かなり難しいですね。
主として、生き延びられたとして、しばらくは生きようとする力や能力はあると思いますが、環境が変わると生態系にも影響するので、絶滅するんじゃないでしょうか。人間は生物としては脆弱なので、環境の変化には耐えられないと思います。でも脳の発達があるので、生き残ろうと頑張るはずです」
―――隕石衝突から、南極に逃げることができた恐竜がいるとするなら、数年から数万年生きたかもしれないと作中にありましたが、人間も数万年くらいは生き続けることができるのでしょうか。
「数万年は無理でしょう。ただ、生活のクオリティは最低限へと落ちると思いますが、短期間であれば、もしかしたら残された資源を利用して生き延びらることができたかもしれませんね。誰しもが生き残りたいと頑張ると思いますし」