身体の大きな恐竜はどのようにコミュニケーションをとっていたのか
―――作中のラスト、小林先生のアラスカの研究で恐竜の親子の足跡を発見されていました。この恐竜はなんの恐竜だったんでしょうか。
「あれは、植物を食べているハドロサウルス(学名:頑丈なトカゲ)の仲間ですね」
―――恐竜は群れで生きていた証拠がありますが、身体が大きい恐竜は、どのようにコミュニケーションをとっていたのでしょうか。
「近ければ自分の色や形、行動といった手法でコミュニケーションをとっていたでしょう。恐竜も他の動物や人間と同じです。距離が離れていくと、音というのはコミュニケーションするのに便利な道具だったでしょうね」
―――動物と同じようなコミュニケーションということですが、求愛行動なども気になります。
「それは化石にはならないので、今の生物で仮説を立てるしかないですね。毛が生えている恐竜だったら鳥に近いもの。体が鱗に覆われて爬虫類に近い求愛行動だったって想像してもいいんじゃないかと思います」
―――これは個人的に気になった質問ですが、生き物は環境の変化で形や生き方を変化させて進化します。その中で、クジラのようにエコロケーションをとっていた恐竜がいてもおかしくないんじゃないかと思うんです。
「エコロケーションは基本的に超音波を発してその反射を感知することによって行われるものです。スピノサウルスなども水の中で生活していたという研究もありますが、完全に水中で生活していたかは議論があります。まだまだこれからの研究になるかもしれませんが、基本的にエコロケーションをしていた恐竜はいないと思います」