原典である中国の古典文学『西遊記』
『西遊記』は、中国文学の中でも最もポピュラーな白話小説(当時の中国語の話し言葉に近い言葉で書かれた文学作品)だ。最初に出版されたのは16世紀、明の時代だが、その影響は現在でも幅広く見られる。
『西遊記』は、多くの試練と苦難の末、大陸を横断し仏教の経典を持ち帰った仏教僧・玄奘三蔵(げんじょうさんぞう)の巡礼に基づいているが、その内容は、史実とは異なり、神話的な要素を多く含んだファンタジーだ。
三蔵法師という僧侶が、孫悟空、猪八戒、沙悟浄など、能力、外見、性格の異なる、不思議なキャラクターを従えて神聖な仏典を探す旅を描いた物語だ。彼らは聖典を探し求めて、恐ろしい怪物を倒したり、危険な場所を横断するなど大冒険を繰り広げる。
『西遊記』は、当時の中国に関連した寓意や比喩を用いて描かれた作品であり、同作品の幻想的で神話的な物語には、人間の決意に関する普遍的なテーマや、魅惑的なファンタジー要素が含まれており、不朽の文学作品となっている。
過去には何度も映画化&テレビ化され、その度に現代風のアレンジが施されている。その中でも『ドラゴンボール』は、『西遊記』を直接模範した作品ではないにも関わらず、この小説のレガシーを受け継ぐ最良の作品と目されている。