『西遊記』における孫悟空
『ドラゴンボール』における『西遊記』の引用は、特に主人公の孫悟空に顕著に見られる。『ドラゴンボール』の悟空は言うまでもなく『西遊記』の孫悟空がモデルであり、『西遊記』における孫悟空は、三蔵法師の聖典探しの旅に同行し、好きなように体を変えられる七十二変化の術や、宙返りをするだけで六万里を飛べる能力を持つ強力な存在である。
『西遊記』の悟空のように、『ドラゴンボール』の悟空は、パワフルでエネルギッシュで、シリーズの誰とも比較できない程の強さと才能を秘めている。鳥山は、孫悟空が大猿へと大変身する姿を作中で描いており、そのインスピレーションをさらに強固なものにし、『西遊記』との類似性を際立たせている。
上記の内容だけに留まらず、『西遊記』に登場する魔法の道具も『ドラゴンボール』で脚色されている。
『ドラゴンボール』の悟空と同様に、『西遊記』の孫悟空も持ち主の意に従い自在に伸縮する如意棒を持っている。また、『西遊記』で孫悟空が使用する自在に空の雲に乗る術”觔斗雲”も、『ドラゴンボール』の悟空が空を移動する際に使用していた。
また、悟空が赤ん坊の際に地球に送り出された宇宙船ポッドは、石から割れて生まれたという悟空の誕生エピソードを表している。